原題「The Artist's Way」、日本語版「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」と「いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。」は、ジュリア・キャメロンによって書かれた創造性を引き出すことを目的として自己啓発書です。
これらの本はアーティストやクリエイティブな人々を対象としています。
この本には、さまざまなツールやテクニックが紹介されており、その中には「モーニングノート」(Morning Pages)と呼ばれるものが含まれています。
モーニングノートは、日常の創造的な思考を鍛えるための実践的な方法として利用されます。
書籍の説明
原題「The Artist's Way」は、アメリカでベストセラーとなり、著者が10年以上にわたり実践しているアーティスト育成のツールとして紹介されています。
この本には12週間のワークショップが含まれており、著名な作家であるパトリシア・コーンウェルやピート・タウンシェントにも影響を与えています。
日本では、短いエッセイ形式の本と、具体的なステップ・バイ・ステップのガイドブックの2つの書籍として発売されました。
モーニングノートの内面的な説明は、「ずっとやりたかったことを、やりなさい。」に詳しく説明されています。
そして、メソッドの具体的な実践方法は、「いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。」に詳しく説明されています。
具体的な方法は後者の書籍に詳しく記載されており、12週間のワークショップとして概説されています。
なぜこの方法に従ってアーティストになるべきなのかに焦点が置かれているため、他の自己啓発書とは一線を画しています。
著者は、読者がアーティストになることに興味がなくても、日常生活における貴重な洞察を含んでいるため、本書を一読することをお勧めしています。
目的
モーニングノート(Morning Pages)を行う主な目的は、創造性を刺激し、内的なブロック(もやもや)を解消することです。
日常の習慣として続けることで、創造的なエネルギーを刺激し、より豊かな内面の思考にアクセスする手段となります。
ジュリア・キャメロンが提唱したこの練習は、アーティストやクリエイティブな人々だけでなく、あらゆる人にとっても有用であるとされています。
以下に、モーニングノートを行う主な目的を詳しく説明します。
クリエイティブ停滞の打破
モーニングノートは、クリエイティブなことの阻害要因や、創造性の停滞を打破するのに役立ちます。
日常生活やストレスによって、アイデアや創造的なエネルギーが詰まってしまうことがあります。
モーニングノートを書くことで、これらのブロックを解消し、アイデアのフローを取り戻す手助けとなります。
内面の声を聞く
モーニングノートは、自分の内面にある声や感情を表現する場として機能します。
自由な形式で書くことで、潜在意識や無意識の思考を探り、深層心理で何を考えているかを書き出します。
自分自身をより深く理解し、成長する手助けになります。
アイデアの発見と整理
モーニングノートを書くことで、新しいアイデアやプロジェクトの種を発見することができます。
頭の中でごちゃごちゃとしているアイデアや計画を整理し、具体的な行動計画に落とし込むのに役立ちます。
感情の整理とリリース
日々のストレスや感情的な負荷がたまることがあります。
モーニングノートを書くことで、これらの感情を整理し、リリースすることができます。
感情を書き出すことで、心理負担の軽減や安心感を得ることができます。
自己探求と自己成長
モーニングノートは、自己探求と自己成長の練習としても機能します。
自分自身と向き合い、日々の考えや感情に対して客観的な視点を持つことができるのです。
自己認識を高め、成長の機会を自分自身で提供します。
ノートのサイズ
モーニングノートの基本的なアイデアは、毎日特定の時間に手書きでA4またはA5サイズのノートに3ページ書くことです。
どのサイズの用紙を使用するかについて、原書では8.5x11インチ(A5相当)またはA4サイズの用紙を使用することが推奨されており、A5,A4どちらでも良いとしています。
著者曰く、ノートが小さいと思考が窮屈になってしまい、3ページを超えると自己陶酔に陥る危険があると警告しています。
著者自身はA4サイズのノートを使用しているとのことですが、海外ではA5相当のノートを使用する人が多いようです。
日本語で記載する場合、文章量が少なくなるためA5の方が書きやすいと思います。
やり方
メソッドの具体的なやり方は、「いくつになってもずっとやりたかったことを、やりなさい。」の方に詳しく記載されています。
モーニングノートは、日々の習慣として実践することで、創造力を活性化し、内的なブロックを解消する手助けとなります。
ジュリア・キャメロンは、この練習を通じてアーティストやクリエイティブな人々が自分自身を発見し、表現する手助けを提供しています。
以下は、モーニングノートの詳細な手順と説明です。
朝に書く
モーニングノートは朝、起床してからすぐに書くことが推奨されています。
まだ頭がクリアであり、内的な声やアイデアが自由に流れやすいと考えられています。
しかし、必ずしも朝に書かなければならないわけではありません。
自分の生活スケジュールに合わせて、最適な時間を見つけて下さい。
手書き
モーニングノートはPCやスマホを使用せず、手書きで行います。
この手書きのプロセスが、創造性を刺激し、内面からのアイデアを引き出すのに役立つとされています。
3ページの制限
モーニングノートは必ず3ページ書かなければなりません。
3ページを埋めることで、頭の中にたまった雑念や不安、アイデアを排出し、クリアな思考を促すことができます。
自由な表現
モーニングノートを書くとき、自分の思考や感情を自由に表現することが重要です。
文字だけでなく、絵でも構いません。
文法やスペルのチェックは不要で、他の人に読ませることもありません。
そして、自己評価や批判は控えるように心がけます。
ノートに書かれたことを分析するのではなく、単純に書きなぐることに焦点を当てましょう。
まとめ
モーニング・ノートは、毎日の習慣として人生に良い影響を与えるものです。
毎朝、特定のテーマを設けずに3ページを手書きで記します。
著者がタイピングよりも手書きを好む通り、毎朝目覚めてから15分から30分をかけてモーニング・ページを書くことで、人生における貴重な洞察と集中力の源になります。
この習慣は、明晰さの向上、創造性の増加、生産性の向上、自己反省などに繋がります。
さらに、日常の心配事から深い目標や感謝の気持ちまで、思考や感情の層を明らかにするのに役立ちます。