ずっと文句を言っている人は、否定的な自己認識を持ち、犠牲者意識を抱いています。
同情と認証を求め、勝手な強迫観念に苦しむ傾向があります。
これらの特徴は人間関係に影響を与え、周囲の人々に疲労感や落胆を与えることがあります。
最も重要なのは、彼らの行動が、自分自身や他人にどのような影響を及ぼしているかを理解することです。
文句が多い人の心理と特徴
否定的な自己認識
常習的な不平不満を言う人々は、自分たちを否定的な人々とは見なさず、むしろ常に不利な立場にいると感じています。
彼らの困難に対する認識は、人格やアイデンティティに深く根ざしています。
被害者意識
彼らは自分自身を「不運な人」であり、日々不公平な扱いを受けていると感じています。
そのため、世界を否定的なものと見なし、何か事象があると、厄介な、困った、不幸な状況に適切に反応しているだけだと考えています。
行動力がない
文句ばかり言う人は、自分が何をすべきかを正確に理解している必要があると思っているので、致命的に行動力がありません。
例えば成功している人を見て、健全な人は「私も成功できるかもしれない」と考え、同じように行動をしてみたり、成功した自分をイメージしたりして努力してみようとするものです。
しかし文句ばかり言う人はそうは思わず、きっと成功したのには何か邪な理由があったのだと考え、自分は行動せず、愚痴や不満を言うだけなのです。
会話の中で「レッテル貼り」や「でも」や「しかし」が多いと要注意です。
文句を言っている暇があるなら行動した方が早いのですが、文句ばかり言う人は恐れを強く持っているため、決して行動しないのが特徴です。
承認欲求が強い
自己実現が出来ず承認欲求が満たされていない人や、感情的な認証を求めている人が多いです。
人が文句を言うときの心理として「自分を認めてもらうために愚痴や文句を言う」というものがあります。
文句ばかり言う人は承認欲求が強く、文句を言うことで、他人に自分を認めさせようとしているのです。
例えば、仕事のチームで誰かがミスをして、失敗してしまったとします。
文句ばかり言う人は、愚痴や文句を言うことで、自分が悪いのではないということを暗に伝えているのです。
そしてそれを周りに認めてほしいのです。
同調してもらえなかったら、怒り出す可能性もある厄介な人達で、パーソナリティ障害傾向がある人も少なくありません。
ストレス解消
文句や愚痴を並べることを、ストレス解消のために行っていることもあるでしょう。
この場合は誰か特定の人の文句ではなく、延々と仕事や生活に関する文句を言い続けています。
特定の人の文句を言っている場合、言われている人のことが単に嫌いだったり状況に問題があるだけの可能性があります。
こういうタイプは、ストレスを解消できたと感じたら、すっきりしてその後しばらくは文句を言わなくなります。
文句や不平不満を言うことはストレス改善にはならず、逆にストレスが増えるため、時間を置いてまた文句を言い始めるのです。
不平不満や悪口、愚痴にはデメリットしかない
「悪口を言ってストレスを発散したい」と言うのが目的なのはわかるのですが、悪口を言うとストレスが増える事が研究で明らかになっています。
悪口を言う事でコルチゾールが分泌され、コルチゾールはストレスがかかった時に出るホルモンなので、ストレスの発散ではなく、ストレスの蓄積になります。
これはタバコと同じで、悪口を言えば言うほどそのストレスで悪口を言う無限ループがおきます。
2chやTwitterなどネット上で、相手にレッテルを貼り誹謗中傷をし続けている人がいるのはこのためです。
また、人間の脳は、主語と述語を明確に区別しにくいです。
そのため、嫌いな人に対する不満や文句を言った時、自分は他人の悪口を言ったつもりでも、脳が勘違いをして自分の悪口を言っていると勘違いします。
結果、呪詛返しのように、知らない間に自分を攻撃してストレスを溜める事になります。
他にも、東フィンランド大学の研究では悪口や批判が多い人は、そうで無い人に比べて認知症になる危険性が3倍も高かったそうです。
基本的に文句を言う事は、一時的にドーパミンを出す以外デメリットしかありません。
悪い記憶の強化
多くの人は悪口は本人の前で言わなければ大丈夫だと思っているでしょうが、例えば、上司が嫌いという話を居酒屋でしていた場合、上司が嫌いであるという記憶や感情を強化することになります。
さらに、人間は非言語的コミュニケーションによって、仕草で相手に物事を伝える可能性があるので、結果として上司との関係が悪くなるのは避けられません。
また嫌なことをノートに連ねるような人もいますが、これは悪い事や嫌なことで記憶を強化してしまうのでやめましょう。
嫌な記憶を忘れるために冷静な事実で上書きする賢者のワークという方法を試してください。
最後に
悪口を言い続けるということは、短所、欠点、悪いところを探してアウトプットする訓練を無意識にしており、悪いところを探すエキスパートになっています。
自分を完全に棚上げしているタイプであっても、他人の悪い部分だけでなく、自分の悪い部分も目がいくようになるのでネガティブ思考を増長させる可能性が出てきます。
ネガティブ思考は行動に歯止めをかけ、何をやっても上手く行かない状況や、場合によっては体調の悪化を自分で作り出すことになるので辞めましょう。
悪い事を見つけるのをやめ、意識的に良いことを見つけるのに集中しましょう。
習慣がその人のアイデンティティを形成するため、自分で意識していなくても、文句や不満を言う事が習慣になっていると、繰り返す事により、徐々にネガティブなアイデンティティを持つ人間になってしまいます。
すでに悪いところを探しの達人になっているかもしれません。気をつけましょう!
悪いところは誰でも見つけられるけれど、いいところを見つけるのは、そのための目を磨いておかないとできない。——黒澤 明
補足
「選ぶ言葉が汚い人」と「文句や悪口をずっと言っている人」がいますが、これは別です。
前者は単純に育った環境の問題だったり、屈託のない正論を言っているだけという可能性が高いです。
後者は本当に現状に不満があって、その不満を言葉にして吐き出した結果共感して欲しいのです。
しかし、文句や悪口をずっと言っている人がいますが、悪口を言うことは百害あって一利なしなので辞めましょう。