医師にメンタルや生活改善の相談すると、必ずと言っていいほど、運動、睡眠、食事(栄養)を勧められます。
これは当たり前で、この3つはメンタルと複雑な関係があり、お互いに大きな影響を与える可能性があります。
ここでは、食事(栄養)とメンタルについてをまとめています。
栄養素
食事(栄養)は心理的健康に直接的な影響を与える可能性があります。
研究によると、健康的な食事は気分や認知機能を改善し、うつ病や不安のリスクを軽減します。
一方、糖分、飽和脂肪、加工食品を多く含む貧しい食生活は、メンタルヘルスの低下や認知機能の低下など、心理的な悪影響と関連しています。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は健康的な脂肪の一種で、脳の健康をサポートし、体内の炎症を抑える効果があることが分かっています。
サーモン、サバ、イワシなどの脂肪分の多い魚や、亜麻仁、チアシード、クルミなどに含まれています。
ビタミンB群
ビタミンB6、ビタミンB9(葉酸)、ビタミンB12を含むビタミンB群は、脳機能と気分の調節に重要な役割を担っています。
ビタミンB群を多く含む食品は、葉物野菜、豆類、全粒穀物、卵、乳製品、赤身の肉類などです。
抗酸化物質
抗酸化物質は、脳を含む体内で酸化ストレスや炎症を引き起こす不安定な分子であるフリーラジカルによるダメージから細胞を保護するのに役立つ化合物です。
抗酸化物質を多く含む食品には、ベリー類、柑橘類、ほうれん草、ケール、ダークチョコレートなど、カラフルな果物や野菜があります。
タンパク質
タンパク質は、脳内で信号を伝達する化学物質である神経伝達物質の構成要素となる必須栄養素です。
赤身の肉、鶏肉、魚、卵、乳製品、豆類、ナッツ類、種子類など、タンパク質を多く含む食品を摂ることができます。
複合炭水化物
複合炭水化物は、脳に安定した持続的なエネルギー源を提供する炭水化物の一種です。
玄米、キヌア、オーツ麦、全粒粉パンなどの全粒穀物や、果物、野菜など、複合炭水化物を多く含む食品です。
マグネシウム
マグネシウムはミネラルの一種で、気分を調整し、ストレスを軽減する役割を担っています。
マグネシウムを多く含む食品は、葉物野菜、豆類、ナッツ、種子、全粒穀物、ダークチョコレートなどです。
ビタミンD
ビタミンDは日光のビタミンとも呼ばれ、気分の調節に関連し、日光を浴びると皮膚で合成されます。
ビタミンDを含む食品には、サケやサバなどの脂肪分の多い魚や、強化乳製品、キノコ類、卵黄などがあります。
プロバイオティクス
プロバイオティクスは、健康な腸内環境を促進する善玉菌で、気分や精神的な幸福感の向上につながるとされています。
プロバイオティクスを多く含む食品には、ヨーグルト、ケフィア、ザワークラウト、キムチ、その他の発酵食品があります。
ストレスと食事量
ストレスや感情などの心理的要因も、食生活や食事の選択に影響を与える可能性があります。
たとえば、ストレスは過食や過食につながる可能性があり、感情的な食事は否定的な感情への対処メカニズムとして使用できます。
さらに、神経性無食欲症や神経性過食症などの摂食障害は、食べ物や身体像に関する歪んだ思考や行動を伴う精神障害です。
メンタルヘルスの改善
栄養は、特定の精神障害の治療と管理にも役立ちます。
たとえば、オメガ3脂肪酸を増やすなどの食事の変更により、うつ病や不安の症状が改善されることが研究で示されています。
さらに、統合失調症などの一部のメンタルヘルス障害は、砂糖を減らして抗酸化物質を増やすなどの食事介入の恩恵を受ける可能性があります。
まとめ
栄養と心の健康は密接な関係にあり、健康的でバランスのとれた食事を摂ることは、認知機能や注意力を向上させ、ストレスや鬱を軽減するのに役立ちます。
脳と腸は物理的につながっており、腸内細菌は気分に影響を与える神経化学物質を産生するため、腸の健康も精神的な幸福に影響します。
1つだけこれを食べれば良いというものは無く、精神を充足させる食事にする事で、不健康な食事パターンを特定する必要もあります。
炭水化物、タンパク質、脂肪は脳と神経系に不可欠な栄養素を供給することがで、緑黄色野菜、サーモン、ナッツ、種子などの食品を取り入れると、脳が効果的に機能するために必要な栄養素を摂取することができます。
逆に、加工食品は中毒性が高く、食欲を増進させ、健康的な食品よりも加工食品を好むように脳を訓練してしまう事もあります。
摂食障害や重度のストレス、うつ病に悩まされている方は、専門家のカウンセリングを受けることをお勧めします。