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心理学 日常心理

行列に並びたくなる心理

2021年2月22日

日本人は行列が好きと言われがちですが、海外でも多くの国で人間は行列に並びがちです。

アメリカの検証番組でも、何もないところに並んでいる人の後ろに、列が出来ていくという不思議な現象が起こります。

これは人間は是非にかかわらず、周囲が認めるものは良いものだと思う傾向があるためです。

例えば飲食店の前に行列が出来ていた時、

「行列ができている」=「多くの人が食べに行っている」=「美味しいお店のはず」

こう考えるのは、人間は皆「ケチ」だからです。

といってもこのケチとは、お金を出し惜しむという意味のケチとは少し異なります。

人は、あまり興味のないことや、知識や情報を十分にもっていないことについては、極力少ない労力で判断しようとします

こうした心理傾向を「認知的ケチ」と言います。(認知的節約家、認知的倹約家などとも言われる)

私たちは毎日、大小問わず、さまざまな選択をしながら生活しています。

その1つ1つについて、自分だけの力で判断するのは非常に大変なことで、選択を行う回数が多いと、人間はストレスを感じ決断疲れを起こします。

そのため、人間は選ぶことの労力を省エネにしたい傾向にあるのです。

おいしいレストランで食事がしたいと思っても、すべてのレストランで試食をするわけにもいきません。

良いカメラが欲しいと思っても、カメラに関する知識がなければ、選ぶのもひと苦労です。

そこで「多くの人の意見」として、行列や口コミサイトを参考にするのです。

このように、まわりの多くの人と同じ行動をとることを「同調」と言い、私たちにとって身近な心理で、日常生活のさまざまな場面で見られます。

行列店に行きたくなるのは、多くの人が選んだものはよいものだと思い、同じものを選ぶからです。

まわりと意見を合わせるのも、自分だけ違った意見を言って、孤立することや間違うことを恐れるからです。

同調は集団の中において、個人の意思よりも周りの雰囲気を尊重して行動することです。単なる表面的な同調もあれば、自分の態度や意志自体まで変化する同調もあります。

ちなみに行列店の料理が意外においしくなかった時、「自分には味がわからなかった」と思う人もいるでしょう。

これは「おいしくなかった」ことを認めると、「長時間並んだ」ことと矛盾してしまうため、無意識に感情をコントロールしたと考えられています。

費やしたコストを取り返せない様な費用対効果のことをコンコルド効果(サンクコスト効果)と言います。

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