いくつかの職場で働くと、必ずと言って良いほど「この人、毎日朝から晩までずっとしゃべってるな〜」という人が1人はいます。
あなたの周りに居るであろう、ずっとしゃべっている人をベースに、喋るのが止まらない人がなぜ話し続けるのか?特徴と原因を探りながらまとめました。
先に書いておくと、何らかの対処をして相手を変えられるのは、自分が目上の立場にいる場合だけで、上手くいっても変化の初動までに半年以上かかります。
相手との関係が目下や横並びの場合、どうにかする事は限りなく不可能に近いです。「人間は相手を変えることは出来ませんし、相手はそれを望んでいません」。
なので、この記事では相手がどの様な傾向を持っているのかと、自分を変化させ対処する対応方法を紹介しています。
はじめに
最初に転職した時、新しい環境で一番驚いたのは、職場でチャットしている時以外、朝から晩までずっと喋っている、異常におしゃべりな人がいる事でした。
誰も話を聞いていないのに、1人でずっと話続けている光景は「この人どんなメンタルしてるんだ?」と驚いたものです。
勘違いされやすいですが、お喋りで自分の事を話続けている人は外向的と見られることが多いですが、これは間違いです。
自分の事を話し続けている人は、関心や興味が自分の心の内面にあるため内向的です。
この勘違いから困惑しますが、こういった人達の行動原理そのものは自分自身の欲求にあるため、他人を使ってドーパミンを分泌するドーパミン泥棒や、自分至上主義の承認欲求モンスターだったり、自分に自信が無いことを悟られたくない裏返しから行動しています。
原因
原因として考えられるのは以下の3つです。
- 単純に暇人
- 承認欲求
- 病気
暇人
多くの職場は非生産的なので、意外とあるのが「単純に暇」というケースです。
本当にやることがない状態が続くと自然としゃべりたくなります。
相手がかまってちゃんで、仕事量が少ないなら容易に想像出来るでしょう。
自分を大きく見せたい人は、それらしい事を言ったり、仕事が多いように見せるのが上手いですが、手よりも口を動かす時間を沢山取っているのであればただの暇人です。
相手が暇なだけであれば、大量に仕事を与えれば否応なく黙ります。
承認欲求
一番多いのは承認欲求です。
承認欲求の満たし方を理解しておらず、本来承認されたい欲求を補う事が出来ない人達です。
自分のことを話すのは夜の営みと同程度の快楽があるため、しゃべる事でドーパミンを分泌して気持ち良くなります。
ドーパミンの快楽は強烈なので、依存を生みやすく中々しゃべるのを止められません。
女性同士の長話や、SNSで自分語りが蔓延しているのも同じ理由です。
承認欲求が原因の場合、自分に自信が持てない人は自分を大きく見せたいため、話を盛ったり虚言癖気味の人もいます。
病気
病気も考えられますが、病気認定をしても多くの場合意味がないのでやめましょう。
病的な症状の表面化だと、何らかのパーソナリティ障害、特に自己愛性パーソナリティ障害だったり、軽度の統合失調症やADHD,ASD(積極奇異型)傾向が強かったり、躁病というケースが考えられます。
鬱は他人に迷惑をかけにくいですが、躁鬱病の場合「多弁で落ち着きがなく怒りっぽい上に好訴的、、、」他人を巻き込んで迷惑をかけていくので大変です。
病的な傾向がみられる場合、カウンセリングや投薬治療である程度緩和されることがあります。
上司ならば会社に相談し会社ではなく病院に行かせる事を検討して下さい。(ASDなど一部の病気は症状を和らげる薬はありませんが…)
現代社会では約5人に1人が精神科医や心療内科に通っていると言われているので、通院は後ろめたいものではありません。(ただし生命保険が適用されにくくなるので注意しましょう)
特徴のまとめ
こういったずっとしゃべってる人の傾向をまとめておきます。
- 単に自分は面白く喋れるのを人に知らしめたい。
- 自己顕示欲が強い自己中心的な人。
- 自分の言葉が最も心地良く感じている。
- 多くしゃべり自分に酔うからシンプルに自己中心的なだけ。
- 一番多く喋った人が盛り上がった、盛り上げたと勝手に思っている。面白かったと思うのは喋った人だけ。
- 欲求不満を喋る事で代償している。(話を聞くと欲求不満の原因が判明する可能性もある)
- 自分の事をしゃべるとドーパミンが多く分泌され快感になり、ドーパミンが分泌されると時間が短く感じ、長く喋っている自覚がない。さらに沢山喋らないと満足感が得られない。
- 単純に話が長い。同じことを何回も繰り返すのは単なる馬鹿。(ワーキングメモリーが発達していない、または低下しているため)
- チャットなど文章も自分としゃべっているため命令文や意味不明な文章が多い。
- 自分が注目されて喜びを感じると、自己顕示欲が満たされ更に喋り続けるためずっと喋っている。(会議で独演会が好き)
- 話すことでドーパミンが多く分泌され、ずっと話していたいので嘘の話が多くなる。
こういう人たちの特性として、下記の様な事象が見られます。
- 飲食すると落ち着き黙る傾向。食事中の感想が薄い。
- 体調が悪化しても気づかず本当に調子が悪くなる直前まで元気、前日まで元気で翌日死ぬタイプ。
- 「さしすせそ」が多いと相手が喜ぶ「さすが」「知らなかった」「凄い」「世界が違う」「そうなんだ」etc。多用し過ぎると逆に馬鹿にされたと思う人もいる。
- 時代の変化についていけないステレオタイプ。
- 幼少期に母親の愛情が少なかったり、過保護と愛情不足のアンバランスな環境で育った人など、幼少期がかわいそうな人に見られる。14歳~16歳は自分の考えを喋りたい時期であり、それを我慢していた可能性がある。この時期我慢をすると、年を取ったときにお喋りになる。(明石家さんま氏が顕著)
幼少期の欲求の重要性
列挙したものを見ていくと分かる通り、基本的には自尊心や寂しさに対する飢が強く、本当は臆病だったり孤独に耐性がなかったり、あるいは満たすべき承認欲求を間違えていてドーパミンを出すことに注力していたりします。
何故こうなっていくかと言えば、子供時代に愛情や承認が足りなかったり、逆に過剰に与えられていた場合が多く、代替欲求として実行しています。
幼少期の承認欲求は極めて重要で、親の悪い対応は、子供が大人になってからの人間性に大きなマイナスの影響を与えてしまいます。
そして、原因が特定時期の家庭環境の問題なので、大人になってから満たすのは極めて難しいです。
多くの精神的問題は家族の問題から逃れられないケースが強く、学校で起こる事件の多くも本質的な原因は家庭の問題だったりします。
パターン1 パーソナリティ障害
私が見てきた人も複数いますが、一番多いパターンは自己愛性人格障害の人です。
日本の精神科の臨床現場ではあまり診断されない障害ですが、彼らは
- 「自分のことばかり話す」
- 「自分の都合のいいように解釈する(歪曲)」
- 「空想や自己像の誇大」
- 「疑問文を多用する」
といった、明らかに異常な傾向や特徴があるので、社会生活を共にしていると分かりやすいです。
ひどい人は「だよね?」や「そうだよね?」のような疑問文だけを相手に投げかける子供のような人もいます。
自己愛が強い人は物事を自分の都合のいいように歪曲させて理解するため、適切な合意をとるという意味でのコミュニケーションは極めて難しいです。
合意をとっても後で簡単に真実をねじ曲げてくるため、折り合いをつけるのが非常に難しかったり、こちらが正論で畳み掛けても、後で根も葉もない嘘を言って落とし入れたりします。
退職した人を必要以上に悪く言うのもこのパターンの人達に見られます。
現状が自分に都合が悪い時、我が身可愛さから、存在しない他人に問題を擦りつけ責任回避するためです。
周りが愚かであれば、これを知っている自分が凄いかのように相対的に自分の価値を上げるために利用します。
パターン2 虚言癖
ずっと話していたいがために虚言壁が酷く、芸能人に会ったとか、何かに遭遇したとか小学生の嘘みたいな話をし、突っ込むと必ず一旦黙ったり、すぐにしどろもどろになり話を反らせたりするような人もいます。
質問した事に答えない事や、答えられないとき一般的見解や明らかに作り話をしてるような有様で、病的な虚言癖になると相互理解を得るためのコミニュケーションも難しくなります。嘘を吐き続けて嘘を真実にしようとするのでかなり厄介です。
この特徴は痴呆症の老人に似ており、虚言と妄想を絶え間なく話す人を傍から見るとボケているように見えます。
ここで問題なのが、本人は話の矛盾や嘘をつくことに罪悪感はありませんし、嘘を真実だと誤認識するようになることも多く、指摘や指導は意味をなしません。
人間は相手を変えることは概ね出来ません。変えられるのは自分だけです。
こういった人達も学生の頃なら学年に1人はいると思いますが、自己の欲求と向き合えない人間が増えているのか、働き出してから遭遇する機会も増えてきました。
嘘をつくのは自分に自信が持てないため、承認欲求が強まり価値のある人間だと認められたいからです。
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対処法
承認欲求の肥大はアドラー心理学で否定される事柄で、一般的な社会生活ではこのような人達は邪魔になることが多いです。
対策として徹底して距離を取りましょう。
おかしな人に遭遇してしまった場合「なんとかしてあげよう」ではなく、とにかく「距離をとって自己防衛に徹する」必要があるのです。
「なんとかしてあげよう」とする人は、相手が攻撃的な人の場合、攻撃対象になる可能性が高くなるため注意して下さい。
これは教訓ですが、重要なのは「どう話すかではなく、いかに話さないか」です。
相手が望む反応をしないことが最大の防御になります。
上述した経験から、自分が身に付けた防衛策と考え方ですが、相手がどうしても気に入らないタイプなのであれば、徹底して距離を取る方法をおすすめします。
防御的な考え方もいくつかあるので参考にしてください。
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心理学的な防御的手法はいくつかありますが、恒久的な対処法は「自分を変える」事です。
やはり自分を変えると相手も変わります。
この方法は「アドラー心理学」が一番分かりやすい考え方であり、現代社会にはびこる問題に対して一番的を射ているので、私はこれを実践していますし他人にも推奨します。
下記でアドラーの嫌われる勇気と幸せになるための3原則を端的に記述しています。
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参考嫌われる勇気と幸せになるための3原則
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相手にアプローチする方法
相手がパーソナリティ障害ではなかったり嫌な人ではない場合、相手を信頼しリスペクトし相手を認め評価し、ポジティブなワードを増やし、肯定的に関わるよう自分の行動を変えれば、相手は譲歩したり動いてくれたりします。
これはカーネギーの「人を動かす」の考え方です。
相手のことが嫌いでは無い限り、人を動かすで使われている9つの手法を試してみるのも良いと思います。
しかし、下に箇条書きした内容を見れば分かる通り、ハードルが高いので相手とどこまで折り合いを付けられるかによって出来る出来ないが変わってきます。
- 相手を褒め尊重する
- 人の間違いは間接的に指摘する
- まず自分自身の失敗から話す
- 命令ではなく質問を投げかける
- 相手のメンツを保つ
- 小さな向上を褒め、全ての改善点を褒める
- 実際以上の評価を与える
- 励ます。改善点をわかりやすくする
- 相手が喜ぶ提案をする
「人を動かす」を読むと多くの場合、読んだ後それを実践する前に退職するケースが多いです(笑)。
これは他人を変えようとするより、自分を変える方が利益は大きく危険が少ないためで、おかしな人に付き合うより自分に投資した方が得策です。
避けきれない場合
状況によって、避けきれないケースも多分にあります。
職場で関わらなければいけない場合、最低限の接触に留めるため境界条件を設けて、最初にどれくらい関わっていられるか具体的な時間を相手に示すことが重要です。
また、継続的な運動習慣を身につけるのも効果的で、メンタルをセルフコントロールする方法もあわせて学びましょう。
病院の待合室や入院時の大部屋など、避けられないケースが想定される場合、ノイズキャンセリングイヤフォンや耳栓を使用して物理的に遮蔽する事を検討して下さい。
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注意点
距離を取る上での最大注意事項は、相手から閉ざしていると思われる可能性が高い事です。
おかしな人が1人いた時、その人だけ気をつければ良いと考え距離を取るわけですが、人間的にまともな人は辞めていくので、いつの間にか周りにおかしな人に迎合する人しか居なくなります。
特に上司が何もしないどころか、ずっと喋っている人に迎合する人間だった場合とても危険な状態です。
残念ですが、上司や上の層が何もしないどころか迎合していたら1年を目処に退職を検討して下さい。
それ以上そこに居ても自分の評価や心身を痛めるだけです。
最後に
習慣はアイデンティティを形成するため、継続的にしゃべり続ける人はどうしてもおかしな人になりがちです。
相手だけを変えるというのはとても難しいことで、事実上不可能です。
相手の性格や考えを変えると言うのは、洗脳です。あなたがYouTuberか何かで、精神的に幼い人達の教祖であれば出来るかもしれませんが、一般社会でおかしな人を相手に行うのはまず無理だと思って下さい。
どうしてもなんとかしてあげたい場合は「人を動かす」にあるような方法を取って下さい。
基本的には自分を変えて相手が変わるのを待つしかありません。
多くの場合よく喋っている人は嫌悪するような人が多いはずなので、「距離をとる方法と、いかに話さないか」を考慮するのが現実的です。
本来職場の上司は、仕事中ずっと喋っている人を制する必要がありますが、同調や野放しにする人が多いように見受けられます。
こういった組織で距離を取り続けると、自分が評価されなかったり、閉じていると言われかねないので、早めに退職する事を検討して下さい。
いずれにせよ他人の生活を脅かし、尊厳や生命すら奪う人間が存在しますが、彼らは病原菌と変わりありません。
何よりも自分のメンタルヘルスに注意を払って下さい。
知らない間に自分の精神が参ってしまい、こちらが病院のお世話になっては元も子もありません。
自分のメンタルヘルスを正常に保つために、中強度以上の運動を継続的に行うことは非常に効果的です。
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