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一人称を自分の苗字や名前で呼ぶ人の心理

2025年1月9日

自分のことを「山田は」「佐藤は」というように名前で呼ぶ人って、時々いますよね。

会社でこう言った人を見かけると少し幼く感じますが、これには面白い心理が隠れています。

他の人との距離の取り方に気を使っていたり、自分をどう見せるかを大切にしている傾向があるだけでなく、誰かに認めてもらいたい、気にかけてもらいたいという、自己防衛や特別扱いへの欲求が深層に見え隠れします。

ここでは5つの観点から一人称を自分の苗字や名前で呼ぶ人の心理を見ていきます。

1. 自己防衛の手段「他者化」

私たちは時に、自分自身との距離感を必要とすることがあります。特に心理的なプレッシャーを感じる場面では、自分を客観的に見つめ直したいと思うものです。

そんなとき、自分のことを「私」や「僕」ではなく、名前や苗字で呼ぶ人がいます。これは単なる言葉遣いの癖ではなく、自分を第三者のように扱うことで、感情的な重荷を和らげようとする心の働きです。

例えば、重要な発表を控えた緊張する場面や、失敗を恐れる状況に直面したとき、自分の名前を使って話すことで、あたかも別の誰かについて語るかのように感じられます。

これにより、過度な不安や自己批判から自分を守り、より冷静に状況に向き合えるようになるのです。

一人称として名前を使う行為は、自身を守るための心理的メカニズムが働いています。

強いストレスや不安から自分を保護する、心の中のクッションのような一種の「心理的バッファー」的な役割を果たしています。

自分らしさを保ちながら、時には適度な距離感を持つことも、心の健康を保つ上で大切なことなのです。

2. 自信の欠如や不安のカモフラージュ

自分を名前で呼ぶ人は、一見すると個性的で自信に満ちた印象を与えるますが、この行動にはその人の内面にある不安や自信の無さなぢ、意外な心理が隠されています。

例えば、自分と正面から向き合うことが難しいと感じる人は、自分を別の人物のように扱うことで心の距離を作り、そうした不安な感情から自身を守ろうとします。

自分と直接的に向き合うことが難しい人は、「自己を他者化」することで、不安や劣等感を隠そうとします。

この行動には、自分らしさを模索する過程での戸惑いが表れていることもあります。第三者の視点から自分を見つめることで、周りからの評価や自己評価にまつわるプレッシャーから逃れようとしているのです。

残念なことに「自分らしさ」に対する確信が持てず、自分を守るための行動として行なっている可能性があります。

このように、一見特徴的に見える自分の呼び方の裏には、その人なりの感情との向き合い方や、不安をコントロールしようとする自己防衛が隠されています。

3. 特別扱いされたい

一人称を名前や苗字で呼ぶ人の多くは、他者から特別視されたい、目立ちたいという欲求を無意識に抱えている事があります。

この表れ方の一つが、自分のことを「私」や「僕」ではなく、名前や苗字で呼ぶという行動につながります。

周りと違う言葉遣いをすることで、無意識のうちに周囲の注目を集めようとしています。特に、グループの中で自分の存在が埋もれていると感じる人は、こうした独特な一人称を使うことで、自分の個性を際立たせようとする傾向があります。

「自分は他の人とは違う」という特別な存在であることをアピールし、他者からの承認を得たいという深層心理が働いています。

誰もが自分らしさを表現し、それを周りに理解してもらいたいと思っています。一人称の選び方も、そんな人間らしい願いの一つの形とも言えます。

4. 幼少期の承認欲求の残り

人の行動や性格の形成には、幼い頃の経験が大きな影響を与えます。

特に、子供時代に十分な愛情や認めてもらえる経験が不足していた場合、その影響は成長後も残り続けることがあります。

このような経験を持つ人は、大人になっても無意識のうちに他者からの強い承認を求めてしまう傾向があります。

例えば、自分のことを名前で呼ぶという行動には、「私のことを見て」という幼い頃からの願いが込められている可能性があります。これは特に思春期の女性や芸能活動をする若い女性に多く見られる特徴です。

子供時代に「あなたは大切な存在」というメッセージを十分に受け取れなかった人は、自分で特別感を補おうとする傾向が強くなります。自分の名前を使って話すのも、こうした心理が表れた一つの形といえます。

一見単純な言葉の癖に見えても、背景には幼少期からの未解決な心理的なニーズが隠れていることがあります。

5. 他者への依存心

一人称を自分の名前で呼ぶ人の心理には、他者への依存心が隠れている事があります。

「私はここにいます」「私は特別な存在です」と、まるで自分の存在をアピールするかのように名前を使うことで、周囲からの反応を通じて自分のアイデンティティを確かめようとする心理が働いているのです。

このような表現方法を選ぶ人は、自分の価値を他者の評価に強く結びつけている傾向があります。

そのため、周りからの反応が得られないと不安を感じやすく、名前で自分を呼ぶことで積極的に周囲の反応を引き出し、自己の存在価値を確認しようとしています。

まとめ

一人称を自分の名前や苗字で呼ぶ行動の背景には、興味深い心理メカニズムが働いています。

人との関係を円滑に保ちながら、自分自身のイメージを意識的にコントロールしたいという思いが込められています。また同時に、他者からの承認や注目を求める気持ちとも深く結びついているのです。

多くの場合、この根底には自己防衛の意識や特別な扱いを期待する願望が潜んでいます。特に内面に不安を抱えていたり、自信が持てない状況にある人が、このような表現方法を選ぶ傾向が見られます。

考えてみれば、自分を守りながら、同時に他の人との関係も大切にしたいという、自然な願いの表れかもしれません。

誰もが持っている「自分らしく生きたい」という思いと、「他者の目に特別な存在として映りたい」という願望が絡み合い、このような形で表現されていると言えるでしょう。

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