買い物の場は、多くの言葉に囲まれます。
その中には、思わず手が伸びてしまうような巧みな売り文句、「在庫残り1点」の表示を目にした時、多くの人が購買意欲を駆り立てられると思います。
「今だけ」「最後の1点」といった言葉は、判断を急がされ買いたくなってしまいます。
これは人間は、制限があることで買いたい気持ちが高まるためです。
本当に必要なものを見極めるには、無意識のうちに心を動かされていないか、自分の反応を見直す必要があります。
巷の売り文句
買い物をしていると、さまざまな売り文句を見聞きします。
よくあるのは「値下げしました」「レジにて5%引」のような、お財布にうれしい売り文句です。
「売れてます」「人気商品」といった、同調心理をくすぐる言葉もよく使われています。
そしてもう1つ、頻出のものは、「最後の1点」など、限りがあることをあらわす言葉です。
これはアパレルショップなどでよく耳にするセリフで、同じ商品を大量入荷しないため、早めに最後の1点になってしまいます。
最後の1点の心理
この「最後の1点」という言葉は、そのときを逃すと買えなくなることを意味するため、購買意欲を高めます。
人は皆、無意識のうちに「自分は自由だ」と思っているため、その自由が失われそうになると抵抗したくなるのです。
これを「心理的リアクタンス」と言います。
簡単には手に入らないとわかると、それが妙に魅力的に見えてくることは、買い物に限らずよくあることです。職場で他人の成果を盗む様な人も、こういった心理が見え隠れしています。
手に入れば、買ったものに対する満足感も大きくなりますし、希少価値のあるものを手に入れたという優越感も味わえます。
焦って決断していませんか?
「今だけ」と限定されると、早く決断しなければならない焦りも生じます。
この焦りが、本当に必要な判断を見誤らせる可能性が高まります。
必要のないものを買って後悔してしまう人は、こうした言葉に煽られていないか、一度立ち止まって考えましょう。
買い物で後悔のない選択をするには、冷静な判断が必要になります。