友人や恋人、あるいはビジネス上の付き合いなど、相手と気や相性が合うかどうかは何によって決まるのでしょうか?
人間同士の魅力は不思議なもので、性格が合ったり機転が利くなど、その人特有の性質によって決まると思われるかもしれません。
社会心理学の研究によると、好意や愛情は、例えば、その人とどれくらい頻繁にすれ違うか程度の、単純で平凡な要因によって引き起こされることが多いと示唆されています。
そしてこの研究は、もっと好感を持たれるようになるための実用的な提案を提供しています。
本物の社会的つながりを求める根本的なニーズを満たす7つの方法を紹介します。
接触回数
人は何かに触れれば触れるほど、それを好きになる傾向があります。
この現象は「単純接触効果」と呼ばれ、新しい曲よりも馴染みのある音楽を好む傾向や、メディアに露出する機会の多い政治家を選ぶこと、交流する機会が多い知人ほどその人を好きになる理由です。
なので、何度も見られるように努力しましょう。
Zoomミーティングではカメラを向ける。友人のソーシャルメディア上の投稿に適度にコメントする。毎日同じ時間にジムに行けば、同じ人にばったり会う確率が上がります。
要するに、やり過ぎず不気味にならない程度に自分の存在をアピールするわけです。好きな曲がかかりすぎると嫌になるのと同じで、露出しすぎると逆効果です。
名前を覚える
相手の名前を覚えていることは、その人があなたにとって重要であることを示します。
相手の名前やその他の重要な情報を覚えていないと、親密な関係が損なわれてしまいます。
つまり、名前を覚えておくことは、人と人との関係を築くための重要な鍵なのです。
しかし、名前を覚えるのは難しいものです。名前を覚えるための効果的な方法として研究されているのが「リトリーバル・プラクティス(想起練習)」と呼ばれるもので、頭の中から繰り返し情報を取り出すというものです。
誰かに紹介された直後に「この人の名前は何だったかな?」と、相手の名前を自分に問いかけてみてください。
あるいは、会話の中で相手の名前を使ってみましょう。名前を思い出す回数が多ければ多いほど、その名前を覚えている可能性が高くなります。
質問すること
相手に対して純粋に興味を持ち、質問をしてみましょう。
研究によると、会話中に質問をする人は、より反応がよく、会話相手から好かれることが分かっています。
特に「その経験はどのようなものだったんですか?」というようなフォローアップの質問をすることは、あなたが相手の話を積極的に聞き、興味を持っていることを示すことになるのです。
良い印象を与えるには、自分が良い印象を与えることよりも、相手に興味を持つことが大切です。
相手が既に興味を持っている場合、質問が多くなりますが、それを遮らないように気を付けましょう。
笑顔でいること
「本を表紙で判断してはいけない」という格言があるにもかかわらず、人は日常的に人を外見で判断しています。
魅力的な人は他の人よりも有能で、社会的な能力が高いと思いがちです。
同じように、魅力的な人の方が好感が持てると勘違いしています。
このような優位性を不公平だと思う人に朗報です。
明るい笑顔はすぐにその人をより魅力的にすることができるのです。
エバーハルト・カール大学のジェシカ・ゴレ氏とその同僚は、最近の研究で、コンピュータで作成された顔の魅力を評価するよう求めました。
顔は笑顔か無表情など様々で、この結果、笑顔の方がより魅力的に見えることがわかり、これはこのテーマに関する先行研究と一致していました。
研究者を驚かせたのは、あまり魅力的ではない笑顔のある顔が、無表情な魅力的な顔と同じくらい高く評価されたことでした。
研究者は「笑顔は、相対的な魅力のなさを補うことができる」と結論づけました。
もし、あなたがより魅力的で、より好感の持てる人物と思われたいのであれば、笑顔を見せる必要があります。
共通点を発見する
研究によると、人間は自分と同じ興味や価値観、性格的特徴を持つ人を好きになるそうです。
なので、昔から言われている「類は友を呼ぶ」という言葉は、「異性が引き合う」という一般的な考え方よりも正しいのです。
同じ趣味を持つ人と出会う努力をしましょう。ハイキングが好きなら、ハイキングクラブに参加しましょう(または自分でクラブを作りましょう)。
同じ趣味を持つ人と出会ったら、他の共通点も見つけてみましょう。
こう言った共通点は、真の友情を育むための土壌となります。
相手を気持ちよくさせる
報酬理論によると、人間は自分に報酬をくれる人、つまり良い感情を連想させる人を好きになる傾向があります。
人に好かれたいのなら、一緒にいて気分が良くなる行動を取りましょう。
親しみやすく、暖かく、積極的になるのです。本物の賛辞を贈る、新しい知り合いと映画を見に行くなら、悲しい映画より楽しい映画を選ぶなどです。
ソーシャルメディア上でも、主にポジティブになりましょう。
ソーシャルメディアでは、ネガティブな投稿が多い人は、ポジティブな投稿をする人よりも「いいね!」が少ないという研究結果が出ています。
だからといって、不安なときや落ち込んでいるときに自分の気持ちを正直に表現してはいけないというわけではありません。
ネガティブ度の高い情報は、信頼できる友人との親密な会話に取っておいたほうがいいでしょう。
相手への好意を表現する
好意は相互的なものです。
私たちが誰かを好きになるかどうかの最も強力な決定要因の1つは、相手が自分を好きかどうかということです。
さりげなく、相手に好意を持っていることを伝えましょう。
「今夜はとても楽しかった」など言葉でも、相手が部屋に入ったときに微笑むなど、非言語的な行動でもかまいません。
おまけ
引き寄せの科学を利用して、相手があなたを好きになる確率を高めることができますが、本物の社会的つながりを形成することを意図して行う必要があります。
個人的な利益のために引きつけようとしていると相手が感じれば、当然ですが相手はあなたのことを好きではなくなります。