最近の面白い研究によると、法螺貝に息を吹き込む古代の儀式が、睡眠中の呼吸が途切れる病気「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」の改善に役立つ可能性があると言うものでした。
この方法はヨガの儀式「シャンカ(貝)吹き」に基づいており、深く息を吸い、渦巻き状の貝殻に力強く吐き出す呼吸法です。
シャンカ吹きとは
研究によれば、シャンカ吹きを定期的に行うことで、軽度から中等度の睡眠時無呼吸症状の緩和が期待できるとされています。
睡眠時無呼吸は世界中で何百万人もの人に影響し、夜間の呼吸の乱れが特徴です。
研究では、三十人の参加者のうち十六人に伝統的なシャンカを提供し、正しい吹き方を指導しました。残り十四人には深呼吸法を行うよう指示しました。両グループは週五日、少なくとも十五分間の練習を続けました。
六か月後、シャンカを使用したグループは日中の強い眠気の改善がより顕著で、睡眠の質も向上しました。
また、酸素飽和度などの客観的な指標でも改善が確認されました。研究者は、シャンカ吹きが「呼吸筋のトレーニング」となり、OSAでよく起こる気道の閉塞を軽減すると考えています。
研究の主導者であるクリシュナ・K・シャルマ博士は、「シャンカの吹き方は独特で、強い振動と空気の抵抗が生じます。この作用が上気道の筋肉、特に喉や軟口蓋を鍛え、睡眠中に閉塞しやすい部分の強化につながると考えられます」とメディカルエクスプレスで説明しています。
過去の研究との関連
これは新しい試みではなく、2006年の研究でも、オーストラリアの伝統楽器ディジュリドゥの演奏が軽度から中等度の睡眠時無呼吸症状を軽減することが報告されています。
ディジュリドゥ演奏も上気道の筋肉を鍛え、気道の閉塞を減らす効果があると考えられています。
ただし、この研究は参加者が少ないため、医師が貝殻吹きを治療として推奨するには、さらなる研究が必要です。
睡眠時無呼吸の一般的な治療法
睡眠時無呼吸の一般的な治療方法としては、以下があります。
1. CPAP(持続陽圧呼吸療法):鼻や口に装着するマスクで気道に一定の空気圧を送り、呼吸を維持します。中等度から重度の患者に最も効果的ですが、装着感が不快な場合があります。
2. マウスピース:口の中に装着し、気道を開いた状態に保つことで呼吸を助けます。歯型に合わせたオーダーメイドのものが最も効果的ですが、市販品もあります。歯が不安定な人には適さない場合があります。
3. 生活習慣の改善:喫煙の中止、飲酒の減少、体重管理などが勧められます。特に肥満の人は喉の奥に余分な組織があるため、気道が塞がりやすくなります。
当たり前ですが、睡眠時無呼吸が疑われる場合は、まず睡眠の医療機関を訪れ、自分に合った治療法を検討してください。