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なぜメンバーから上司に話しかけづらいのか?|上司に話しかけづらい理由と心理的安全性の作り方

2023年12月5日

多くの上司が気づかないのですが、部下は日常的に「上司に意見や相談をするのが怖い…」と感じています。

初めて部下を持ったとき、チームからの相談や意見が極端に減ったことに驚きました。以前は同僚として何気なく話していた内容も、昇進後は話しかけにくくなったと言われたのです。

この背景には「心理的安全性」の問題があります。

心理的安全性とは、簡単に言えば「失敗や意見が否定されない安心感」のこと。権限のあるポジションにいる上司に対して、メンバーが自由に話せる関係は自然には生まれません。

メンバーが感じる不安の正体

メンバーの立場からすると、上司に話すのはリスクを伴う行為です。

「もし発言が相手の気分を害したらどうしよう」「言葉が拙くて評価が下がったらどうしよう」といった不安が頭をよぎります。

ここで重要なのは、問題は「性格の違い」ではなく「信頼関係の不足」にあります。

実際、最新の研究によると、心理的安全性が確立されたチームではメンバーの提案や改善意見が活発になることが報告されています。

マネージャーができる最初の一歩は自己開示

では、どうすれば心理的安全性を育てられるのでしょうか。

答えは「マネージャー自身の自己開示」です。

自己開示とは、自分の考えや失敗談、悩みをオープンに話すこと。

チームミーティングで自分の過去の失敗や迷いを率直に話すと、メンバーの表情が柔らかくなり、次第に意見が出るような事があります。

ポイントは「上司としての権威を守りつつ、完璧ではない自分も見せること」。

完璧に振る舞うだけでは、メンバーにとって話しかけるハードルは下がりません。

マネージャーは「自分が話しかけづらい存在であること」を常に自覚する必要があります。

日常で使える自己開示の具体例

自己開示は難しく考える必要はありません。

例えば以下のような場面で自然に取り入れられます。

  • ミーティングの冒頭で「昨日のタスクで思わぬトラブルがあって焦りました」と軽く失敗談を共有する
  • 新しいプロジェクトに挑戦する際に「私も初めてなので手探りです」と率直に話す
  • 個人的な趣味や興味を話題にして、人間味を伝える

これにより、メンバーは「この上司なら自分も話せそう」と感じやすくなります。

実践チェックリスト

  1. 自分が話しかけにくい存在であることを自覚する
  2. 小さな失敗や学びをチームで共有する
  3. 難しい話も、リスクを恐れず率直に話す場を作る
  4. メンバーの意見に対して否定せず、まず受け止める
  5. 継続的に自己開示を行い、信頼関係を育む

結論

上司としての権威や責任感を持ちながらも、完璧ではない自分を見せること。

それが、メンバーが安心して意見を話せる職場を作る第一歩です。

心理的安全性を作るには、マネージャーから自己開示をするのが鉄則です。

まずは短い自己開示から始めてみてください。「昨日の業務でこんなミスをしました」と一言話すだけでも、チームの雰囲気は少しずつ変わります。

経験に基づく小さな行動の積み重ねが、やがて大きな心理的安全性の基盤となります。

参考:心理的安全性 最強の教科書

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