人間は生活の中で、日々多くの嘘をついています。
気の乗らない誘いを「予定があるから」と断ることもあるでしょう。
友人と観た映画がおもしろくなくても「おもしろかった よね」と言われれば、「ラストシーンが特によかったよね」などと話を合わせることもあるでしょう。
これらは相手を傷つけないための嘘であり、人間関係を円滑にするためにはある程度必要な偽善です。
人は嘘をつく生き物
誰もが完全に正直だったら、世の中はもっと殺伐としているはずです。
一方、嘘は使いようによっては危険な武器にもなります。
犯罪やトラブルとの関わりも深く、嘘をついて利益を得る「詐欺」などはその典型です。
嘘は悪いものだと教えられるのは、こうしたことを防ぐためと言うのもあるでしょう。
悪意のない嘘であっても、結果的に相手を傷つけてしまうこともあります。
また、嘘をつくと、知らず知らずのうちにストレスがたまり、嘘をつかないほうが心身ともに健康になるというデータもあります。
「嘘も方便」とは言いますが、たくさん嘘をつかなくても相手とうまくやっていけるようなコミュニケーション力を身に付けましょう。
病的な嘘つき
病的な嘘つきはストーリーテラーでありパフォーマーです。
彼らは活気に満ちた状態で、精巧で英雄的に見える経験と成果について話し、相手を魅了しようとしています。
嘘をしつこく言い続けていると、言っている方も言われている方も、次第にそれを真実だと捉えます。
病的に嘘をつく人は、自分の状態に気づかず、制御さえしないため、自信満々で相手が嘘を信じるまで嘘をつくため、話が虚だと思わなくなっていくのです。
嘘を見抜くコツ
嘘を見抜くのは難しいのですが、手がかりがないわけではありません。
まずあやしい典型なのは、会話のテンポが落ちるパターン。
質問に対して 「え?」「ん?」「どうしてそんなこと聞くの?」と 聞き返したり、必要最小限のことしか答えなかったり、押し黙ったりする場合です。
嘘をつくには「考える時間」が必要です。
また、相手に情報を与えたくないと思うがゆえ、どうしても言葉を最小限におさえてしまいがちになります。
これらは会話の流れを不自然に遅くしてしまいます。
さらに、表情や動作まで止まっていれば、あやしさ倍増。動きが止まるのは警戒心のあらわれです。
一方、聞かれてもないことまで事細かに話したり、あまりに流暢に話す場合も注意が必要です。
疑われたくないがために、何か言葉を発さないと気がすまなくなっている可能性があります。
このほかにも、「イエス・ノー」 では答えられない「開いた質問(オープンクエスチョン)」をしてみる、出来事を時系列とは逆に話してもらう、などの方法もあります。
刑事ドラマというか刑事コロンボや古畑任三郎でおなじみの手法です。多くを語れば語るほどボロが出やすいものです。
ただし、嘘を見抜いても望みが叶うわけではありません。真実を受け止める覚悟も忘れないよにしましょう。
後ろめたさや焦りは会話の中にあらわれます。会話のテンポが不自然なら少なくとも何か隠している可能性があります。
しぐさに隠れたヒント
- 表情が固まる・口を閉じる(考えることに集中している)
- 顔をさわる(表情から嘘がバレるのを恐れている)
- 姿勢を頻繁に変える(居心地の悪さのあらわれ)
- 逆に硬直姿勢を維持し続ける
- 相手との距離を広くとろうとする(後ろめたさのあらわれ)
実際のところ個人差が大きいため、ただの癖という場合もありますが、普段の仕草に比べて違和感を感じるかどうかがポイントとなるでしょう。
また嘘をつくのが上手い人は、嘘に真実を織り交ぜているので、話全体を真実だと捉えて話していたり、話が劇的で、複雑で、詳細だったりするので見抜くのが非常に難しいです。