SNSを眺めていると、いまだに「脱サラして月収◯◯万円」「副業で誰でも簡単に月5万稼げる」「有料級」など、いまだに悪徳な投稿が後を絶ちません。
魅力的に見える一方、その多くは誇張表現や誘導を含み、思わぬ被害につながるケースも少なくありません。
特に副業や投資に関心がある人ほど狙われやすく、見抜くための基礎知識が欠かせません。
ここでは、SNSの危険な投稿の見抜き方、10秒で判断できるチェックリスト、そして万が一関わってしまった場合の対処法までを体系的にまとめます。
安心してSNSを利用するための「防御力」を身につけましょう。
なぜSNSの「稼げる話」が危険なのか
SNSで急増している「稼げる系投稿」は、基本的に嘘の内容ですが、信じる人が後を立ちません。
これは、心理的トリガーを突いた巧妙な仕掛けが含まれています。
SNSで広がる「魅力的な成功ストーリー」の落とし穴
人は「成功した人が語る物語」に引き込まれやすい傾向があります。
豪華な生活、急激な収入アップ、感謝の声などを並べることで、本当かどうかを判断する前に「自分もできるかも」と思わせる構造が作られています。
しかし、具体的な収益の証拠がない、実績の根拠が不明、自分が稼げているなら不特定多数にそれを教える必要は無い、など信頼性に欠ける点が多く見られます。
なぜ再現性がないのに広まるのか
SNSでは投稿の「魅せ方」が収益に直結します。
派手な成果を見せればフォロワーが増え、そこから商材やサービスへ誘導しやすくなるため、「誇張」や「捏造」に手を伸ばしやすくなります。
多くのケースは、情報商材・コミュニティ・有料セミナーへの誘導が目的であり、これらの内容は再現性が極めて低いことがほとんどです。
例えば、同じようなブログを作るだけ、同じようなアカウントを作って発信するだけ、という状態は明確な競合相手になるため再現性などありません。
インフルエンサーに見られる手口と注意点
こうした手口は、「情報商材」「マルチ商法(MLM)」「ネズミ講」などの古典的な手法を、現代向けに形を変えて展開しているタチの悪いビジネスです。
投資系インフルエンサーにも同様のケースが多く、SNSの普及により「こんなに稼いでいます」といったフェイクコンテンツを手軽に作れるようになったことで、より広範囲に不特定多数へアプローチできる点が厄介です。
形は異なりますが、YouTuberへの「質問スパチャ商法」も似たような構造を持ち、貧困ビジネスの一種と考えられます。
これは、「お金を払えば問題が解決する」という心理を巧妙に突いた方法です。
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なんでもお金でも問題で解決しようとする人の心理
世の中には、直面する問題のほとんどをお金で解決しようとする人がいます。 お金があれば人生の多くの問題を解決できるというのが一般的な考え方であり、専門性の高い知識や技術が求められる場合、早めに専門家に相 ...
さらに、認知機能が低い人、行動力が乏しい人、情報弱者ほど「お金を払わないと学べない」という先入観を持ちやすいため、こうしたビジネスのターゲットにされやすく、実際に消費者庁案件にもなっているため注意が必要です。
SNS詐欺や危険商法に共通するサイン
危険な投稿にはいくつかの共通パターンがあります。
整理すると、以下のような特徴が頻出します。
成功額・収益の極端な誇張
短期間で数百万、数千万など、現実離れした成果を強調する投稿はもっとも典型的です。
証拠として表示される画像は加工で作成することが容易なため、信用材料とは言えません。
有料セミナーや高額商材への巧妙な誘導
「もっと知りたい人はこちら」「先着〇名だけ無料」などの言い回しで外部リンクに誘導し、最終的には高額の商材・講座へ案内されるケースが多いです。
特に人数を絞る表記は「希少性の原理」と「損失回避の法則」から深く考える前に購入する、という行動を取りやすくなります。
匿名アカウント・経歴の不透明さ
顔出しなし、企業名なし、職歴なしなど、投稿者の背景が不明なアカウントがほとんどです。
信用できる情報源であれば、出所を隠す必要はありません。
しかし、最近は逆をついて、限りなく多くの情報をオープンにすることで真実の様に見せかけ騙す手法も増えています。
徐々に、真実性や真実相当性を見極めることが難しくなっています。
被害が多い投稿の特徴|チェックリスト
- 収益画像の出典が不明・画像が粗い
- 「すぐに申し込むべき」と急かしている
- LINE・DMへ誘導しようとする
- 「誰でも絶対できる」と断言している
- 成功者の声が異様に多く、顔が見えない
10秒で判断できる!危険投稿チェックリスト
- 投稿者の経歴(職歴・実績)が確認できない
- 成果だけを強調して具体的なプロセスが説明されていない
- 外部リンクへ直行させる導線が多い
- 限定性(先着・残り◯名)を強調して焦らせる
- セミナー・教材など「お金を払う行為」が必要になる
一つでも当てはまれば注意が必要です。
もし関わってしまった場合の対処法
被害に遭った可能性がある場合は、速やかに次の手順を踏みましょう。
証拠の確保と記録の残し方
- DM・メッセージ・決済画面をスクリーンショットで保存
- 支払いに利用したカード会社へ連絡
- 相手のプロフィール・販売ページのURLを記録
消費者庁・警察・相談窓口への相談方法
- 消費者庁(消費者ホットライン188)へ連絡
- クレジットカード会社へのチャージバック申請
- 警察庁のサイバー犯罪相談窓口
専門機関に相談することで、支払いの停止や返金の可能性が生まれます。
返金や契約解除のための行動手順
- 契約内容の開示請求
- 虚偽説明があった場合はクーリングオフの対象になる場合も
- 相手とのやり取りは必ず記録を残す
騙されないために|安全に学べる副業・投資の情報源
正しい情報を入手できれば、危険な投稿に頼る必要はなくなります。
無料・低コストで学べる信頼性の高いサービス
- 各業界の専門家が発信するオウンドメディア
- 大学・企業の無料オンライン学習プログラム
専門家や公的機関が提供する正しい情報源
- SBI証券|投資を学ぼう
- 厚生労働省|副業の法的ガイドライン
- 総務省|インターネットトラブルの注意喚起
よくある質問(FAQ)
Q.「月収◯◯万円」の投稿は全部嘘ですか?
すべてではありませんが、誇張や捏造が圧倒的に多いため信用はできません。根拠も捏造されている可能性が高いので疑うべきです。
Q. 被害に遭ったかどうか判断できません。
契約前後に不自然な点があれば、消費者ホットライン188へ相談すると客観的な判断に繋がります。
Q. 安全な副業を探すにはどうすればよい?
公的機関や企業が提供する情報から学び、実体のある仕事を選ぶことが重要です。
まとめ|SNS情報に惑わされないために今できること
SNSは日常の何気ない情報や、簡単なライフハックなどを見れる便利なツールですが、悪質なビジネス投稿も紛れているので注意が必要です。
意図的に偏った情報や、見せかけの情報で、誤った決断を誘発させさているだけです。
慎重かつ懐疑的に接し、決断を下す前に追加情報を入手することが重要です。
もし不安があれば、専門窓口に迷わず相談しましょう。