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寝る前に食べると眠りが深くなる?栄養士が教える「就寝前のおやつ」5選

2024年7月9日

「寝る前に食べると太る」と思っていませんか?

実は、選ぶ食品とタイミングを工夫すれば、睡眠の質を高める「夜食」があることがわかっています。

本記事では、栄養士監修の知見と科学的エビデンスをもとに、就寝前におすすめの軽食5選を紹介します。

メラトニン・トリプトファン・マグネシウムなど、眠りを促す栄養素と食べるタイミング、注意点まで解説。

「寝付きが悪い」「夜中に目が覚める」と悩む方に、今日から実践できる「眠れる夜食習慣」をお届けします。

良い睡眠をサポートする「就寝前おやつ」とは?

睡眠はホルモンや神経伝達物質の影響を強く受けます。

中でも重要なのが「メラトニン」と「セロトニン」。これらは「トリプトファン」というアミノ酸から合成され、カルシウムやビタミンB6の助けを借りて生成されます。

就寝前にこれらの栄養素を少量摂取することで、体内時計を整え、入眠をスムーズにする効果が期待できます。

一方で、糖分や脂質が多いスナック菓子・揚げ物などは、胃腸を刺激して睡眠を妨げる原因になります。

理想的なのは、就寝60〜90分前に、200kcal以内の軽食を摂ること。

血糖値の急上昇を避けながら、眠りを助ける栄養素を自然に取り入れましょう。

睡眠を促す就寝前のおやつ5選【科学的根拠つき】

1. アーモンド|メラトニンとマグネシウムで深い眠りを

アーモンドにはメラトニンが含まれ、体内リズムを整える働きがあります。

また、マグネシウムが筋肉の緊張を緩め、神経を安定させるため、自然な眠気を誘います。

研究(Nutrition Journal, 2012)では、マグネシウム不足が不眠や中途覚醒に関係する可能性が示されています。

  • 摂取の目安:10〜15粒(約25g)
  • タイミング:就寝の1時間前
  • 注意点:塩分・油分を含むタイプは避け、素焼きアーモンドを選びましょう。

2. オートミール|就寝1時間前に温かく摂ると安眠効果アップ

オートミールは朝食の定番ですが、夜食としても優秀な「睡眠フード」です。

メラトニンと複合炭水化物が豊富で、血糖値を安定させながら、脳にトリプトファンを届けやすくします。

牛乳と合わせて温かいポリッジ風にすれば、カルシウムも摂取でき、メラトニン合成をさらに助けます。

  • 簡単レシピ:オートミール30g+牛乳150ml+はちみつ小さじ1
  • 理想のタイミング:就寝60分前
  • 注意点:糖分過多にならないよう、はちみつは少量に。

3. 脂肪の多い魚|オメガ3とビタミンDが概日リズムを整える

サーモン、イワシ、ツナなどの脂肪の多い魚には、オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)とビタミンDが豊富に含まれています。

これらはメラトニンの分泌をサポートし、体内時計の調整に関与します。

Journal of Clinical Sleep Medicine(2014)の研究によると、週に3回サーモンを摂取した被験者は、入眠時間が短縮し、睡眠の質も向上しました。

  • おすすめの食べ方:ツナ缶+豆腐+しょうが少々(簡単たんぱくスナック)
  • タイミング:就寝90分前まで
  • 注意点:脂質過多にならないよう、量は少なめに。

4. バナナ|トリプトファンとカリウムでリラックス

バナナは自然な睡眠促進フードです。

トリプトファン、マグネシウム、カリウムが含まれ、筋肉をリラックスさせて神経の興奮を抑えます。

  • 摂取の目安:小1本(100〜120kcal)
  • タイミング:就寝30〜60分前
  • 注意点:糖尿病や血糖コントロールが必要な方は、摂取量に注意。

夜中の空腹にもぴったりの「自然派スイーツ」としてもおすすめです。

5. カモミールティー|アピゲニンで不安を和らげる

「何か食べたくない」「カロリーを抑えたい」人にぴったりなのが、カモミールティーです。

カモミールに含まれるアピゲニンというフラボノイドは、脳内の受容体に作用し、不安を軽減し、自然な眠気を誘発します。

ある研究(Phytomedicine, 2016)では、カモミール抽出物を摂取したグループが、プラセボ群より入眠時間が短縮したと報告されています。

  • 摂取の目安:就寝30分前に1杯(150〜200ml)
  • 注意点:妊娠中やキク科アレルギーの方は医師に相談。

就寝前おやつの取り方と注意点

  • 食べる時間:理想は就寝60〜90分前
  • 量:200kcal以下(消化負担を軽減)
  • 避けるべき食品:チョコ・揚げ物・高脂肪アイス・アルコール
  • ポイント:食後すぐ横にならず、軽いストレッチや読書を挟むと効果的

これらを守ることで、胃腸への負担を減らし、睡眠ホルモンの分泌を最大化できます。

睡眠を整える栄養と生活習慣のヒント

  • カフェイン摂取は午前中までに。午後はノンカフェイン飲料を。
  • アルコールは眠気を誘うが、睡眠の質を下げるため避ける。
  • 夕食は就寝2〜3時間前に済ませ、消化を助ける。
  • 照明を落とし、スマホ画面を見ない時間を30分設ける。

日中に軽い運動(ウォーキングなど)を取り入れると、夜のメラトニン分泌も高まりやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 寝る直前に食べてもいいですか?

→ 消化に時間がかかるため、寝る直前は避けましょう。就寝の60〜90分前が理想です。

Q2. ダイエット中でも大丈夫?

→ 低糖質・高たんぱくな軽食(ナッツやオートミール)ならOKです。量を守れば脂肪蓄積の心配は少ないです。

Q3. 牛乳を飲むと眠れるって本当?

→ 牛乳に含まれるトリプトファンとカルシウムがメラトニン生成を助けるため、一定の効果が期待できます。

まとめ|就寝前おやつで「眠れる夜」をつくろう

就寝前に正しい軽食を摂ることで、眠りの質が大きく変わります。

重要なのは「何を・どれくらい・いつ食べるか」。

メラトニン・トリプトファン・マグネシウムなどの栄養素を意識して、体を自然な眠りへ導きましょう。

参考文献・出典
Nutrition Journal (2012): Magnesium supplementation and sleep improvement study
Journal of Clinical Sleep Medicine (2014): Fish consumption and sleep quality
Phytomedicine (2016): Chamomile extract and sleep onset research

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