良質な睡眠環境

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睡眠に良い食べ物と悪い食べ物|今日からできる食事で快眠を手に入れる

2025年1月28日

「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」こうした悩みは多くの人が抱えています。

データによるとアメリカでも35%も満足な睡眠が取れてない経験をしているそうです。

実はこの「眠れない」の犯人、意外なところに潜んでいます。ベッドルームの環境や生活習慣はもちろんですが、私たちの「食事」が密かに睡眠の質の足を引っ張っているかもしれません。

最新のレビューでは成人の睡眠問題は世界的に広く報告されており、睡眠と食事の関係を示す研究が増えています。

睡眠と食べ物の関係|なぜ食事が眠りを左右するのか

ある食べ物は自然な眠気を誘う魔法の食材。しかし、カフェインや砂糖たっぷりの食べ物は、せっかくの睡眠をめちゃくちゃにしかねません。

意外かもしれませんが、ビタミンB、C、Dやカルシウムのサプリメントの中にも、実は眠りの天敵が潜んでいる事があります。

睡眠ホルモンや栄養素が鍵

メラトニン(体内時計を整えるホルモン)や、その前駆体であるトリプトファン、さらに神経系のリラックスに寄与するマグネシウムなどが睡眠に深く関係しています。

食事からこれらを補うことで、入眠・睡眠の質に影響が出ることが報告されています。

血糖変動・刺激物が睡眠を乱す

高GIの糖質や大量の糖分は血糖の急上昇・下降を引き起こし、中途覚醒や睡眠の浅さにつながることがあります。

また、カフェインはアデノシン受容を阻害して覚醒を促すため、摂取タイミングが重要です。

睡眠に良い食べ物5選(実践方法つき)

睡眠に良い5つの食べ物

1. 複合炭水化物(玄米・オートミール・サツマイモ)

理由:複合炭水化物は血糖の安定を助け、トリプトファンを脳へ運びやすくするためメラトニン生成をサポートします。

実践:夕食は極端に炭水化物を減らしすぎず、GIが低めのものを選ぶ。就寝2〜3時間前の軽めのオートミールはおすすめ。

2. ピーマン・キノコ・豆類・ベリー類(植物性メラトニンを含む食品)

理由:特定の植物は天然のメラトニンやそれに関連する化合物を含み、睡眠リズムの調整に寄与する可能性があります。

実践:夜のデザート代わりにベリー類や低糖の果物を。サラダにキノコを加えるなど手軽に取り入れられます。

3. 良質なタンパク質(魚、卵、乳製品、ナッツ、レンズ豆)

理由:タンパク質に含まれるビタミンB群やトリプトファンは神経伝達物質やメラトニンの材料。タンパク質の不足は睡眠の質低下と関連することがあります。

実践:夕食のポーションは軽めにして、魚や卵を中心にバランス良く。夜食にヨーグルト+ナッツも使えます。

4. カボチャの種(マグネシウム+トリプトファン)

理由:カボチャの種はマグネシウムやトリプトファンを豊富に含み、筋肉のリラックスやメラトニン合成に貢献する可能性が示唆されています。実際、かぼちゃの種一握り(約1オンス)のマグネシウム量は睡眠サポートの助けになります。

実践:就寝1〜2時間前にひと握り(約20–30g)を目安に。下痢などの反応が出る場合は量を調整。

5. オーツ麦・シリアル・アーモンドなどのナッツ類

理由:オーツやナッツはマグネシウムや亜鉛を含み、全体的な睡眠の質と関連する栄養素が揃っています。朝の食事で質の良い炭水化物と一緒に摂ると一日の血糖安定にも寄与します。

実践:夜の軽めスナックにオーツ+牛乳(あるいは植物性ミルク)+少量のナッツを組み合わせるのがおすすめ。

睡眠に悪い食べ物5選(避けるべき理由と代替案)

睡眠に悪い5つの食べ物

1. 柑橘類(寝る前は注意)

理由:酸が強く胃酸逆流を起こしやすい人は睡眠中の不快感や中途覚醒を招く場合があります。

代替:夜はバナナやベリー類などに切り替えるのがおすすめ。

2. 過剰な水分摂取(就寝直前)

理由:就寝直前の多量の水分は夜間頻尿を招き、深い睡眠を妨げます。

代替:日中にこまめに水分補給し、就寝直前はコップ1杯程度に抑える。

3. 砂糖・甘いスナック

理由:夜間の砂糖は血糖変動を引き起こし、眠りの中断や浅い睡眠につながります。

代替:甘いものが欲しいときはナッツやプレーンヨーグルト+少量のフルーツに。

4. カフェイン(摂取タイミングが重要)

理由:カフェインは覚醒を促すため、就寝6〜8時間前まで、あるいは個人差を踏まえてそれより早めの摂取中止が推奨されます。

最新の研究は個人差や摂取量によってはさらに長時間影響する可能性を示しており、自分の感受性を確認することが重要です。

5.アルコール(短期的には眠気、長期的には睡眠の質低下)

理由:アルコールは入眠を早めることがある一方で、睡眠全体の構造(特に後半のREMや深い睡眠)を乱し、夜間覚醒を増やします。

寝酒は習慣化すると睡眠の質を悪化させるリスクがあります。

睡眠の質を上げる生活習慣(食事とセットで効果UP)

  • 寝室環境の最適化:暗く静かな環境、適切な温度・寝具を整える。
  • 規則的な就寝・起床リズム:毎日ほぼ同じ時間に起きる・寝ることで体内時計を安定させる。
  • 電子機器の遮断:就寝前1時間は画面を避け、ブルーライトの刺激を減らす。
  • 日中の運動と日光浴:適度な運動と日光を浴びることでメラトニンのリズムが整いやすくなる。

良質な睡眠習慣

よくある質問(睡眠×食事Q&A)

Q:寝る前に軽食はOK?

A:「量と内容次第でOK」。軽くて消化の良いもの(ヨーグルト+ナッツ、バナナ、オートミール少量など)は逆に入眠を助けることがあります。

ただし大量の食事は消化負担で逆効果。

Q:サプリ(メラトニン・マグネシウム)は摂っても良い?

A:一部の人には有効ですが自己判断は危険。

マグネシウム補給は睡眠改善に寄与することがありますが、用量・相互作用・腎機能などを考慮する必要があります。サプリを始める前は医師や薬剤師に相談するのが安全です。

Q:夕食は何時間前に済ませるのが良い?

A:一般的には就寝2〜3時間前を目安にして、重すぎないバランスの良い食事にすると消化負担を避けられます。

胃酸逆流がある人はさらに余裕を持つと良いでしょう。

Q:コーヒーは何時まで飲んで良い?

A:個人差は大きいですが、睡眠への影響を避けるためには就寝6〜8時間前を目安にするのが一般的です。

感受性が高い人は午後の早い時間以降は避けると良いでしょう。

まとめ|食事を変えれば睡眠は変わる

食事は寝つきや睡眠の質に影響を与える重要な要素です。

今回紹介した「良い食べ物」を日常に取り入れ、「悪い食べ物」を寝る前に避けるだけで、睡眠は確実に改善する可能性があります。

まずは以下の3つを試してみてください。

  • 夕食は就寝2〜3時間前、重すぎないメニューにする。
  • 就寝前のカフェイン・アルコールを控える(目安:カフェインは就寝6〜8時間前まで)。
  • 就寝1〜2時間前にカボチャの種ひと握りや軽いオートミールを取り入れてみる。

日中の運動もおすすめです!外での運動なら太陽光を浴びて、脳内で睡眠サイクルを整えるホルモンが出てくれます。

睡眠を最適化するため、適切な食事と生活習慣を組み合わせてください。

参考文献

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12484088/ A Narrative Review on Sleep and Eating Behavior - PMC

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8511346/ Sleep and Diet: Mounting Evidence of a Cyclical Relationship

https://europepmc.org/article/med/35910892 Effects of Dietary Carbohydrate Profile on Nocturnal

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