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セルフケアが「難しい」と感じるあなたへ|心と体を回復させる5つの実践法

2024年7月18日

セルフケアという言葉はよく聞くけれど、「そんな余裕ない」「何もしたくない」という日もありますよね。

実は、本当に効果のあるセルフケアは「気持ちいいこと」ばかりではありません。時に面倒で、少し苦しい行動が、心を回復させる鍵になることもあります。

この記事では、うつや疲れで動けないときにもできる、「難しいけれど価値のある」5つのセルフケア実践を紹介します。

無理のないペースで、今日できる小さな一歩を見つけてみましょう。

セルフケアが「難しい」と感じるのはなぜ?

セルフケアを続けられない、やる気が出ない…そんな自分を責めていませんか?

それは怠けではなく、脳と心のエネルギーが低下しているサインです。

心理学では、ストレスやうつ状態のとき、意思決定や実行力を司る「実行機能(executive function)」が低下することが分かっています。これは脳が休息を求めている状態。

つまり「何もしたくない」時期は、あなたの体が守りモードに入っているということです。だからこそ、完璧なケアを目指すよりも、小さく現実的な行動が重要です。

1. 軽い運動で「心の再起動」をする

運動は、心のバランスを整える最もシンプルで確実な方法の一つです。

体を動かすと、脳内のセロトニンやドーパミンが分泌され、気分や集中力を高めることが研究で明らかになっています(※ハーバード医学誌などより)。

とはいえ、いきなりジムに行く必要はありません。

たとえば以下のような「小さな動き」から始めてみましょう。

  • ベッドの上で肩を回す
  • 家の前を5分だけ歩く
  • 夜寝る前にストレッチを3回

この「ちょっとだけ」の積み重ねが、次第に気分をリセットし、活力を取り戻す第一歩になります。

2. 難しい会話を避けず関係を守る

「伝えるのが怖い」「揉めたくない」と思うと、つい避けてしまうのが難しい会話。

しかし、避け続けることで誤解が大きくなり、関係がこじれることがあります。

心理学的に見ると、回避は一時的な安心をもたらしますが、長期的にはストレスの蓄積につながります。

そのため、「安全に話す準備」を整えてから対話することが大切です。

  • 話したい内容をメモして整理する
  • 相手を責めず「自分はこう感じた」と伝える
  • 感情が高ぶったら一度深呼吸する

たとえ完全に理解し合えなくても、「伝えた」という行動そのものが自己肯定感を回復させ、関係を再構築する力になります。

3. 自分にとって認めたくないことに向き合う

自分の弱さや失敗を認めるのは、誰にとっても痛みを伴うことです。

しかし、避ければ避けるほど、その重荷は心の奥で膨らみ続けます。

心理学では、自己欺瞞(じこぎまん)は短期的には楽になりますが、長期的には不安や自己否定を強めるとされています。

小さなステップでいいので、自分と向き合う時間を持ちましょう。

  • 日記やジャーナリングで感情を書き出す
  • 信頼できる人に話す
  • 必要に応じてカウンセラーや専門家に相談する

公的な相談先としては、厚生労働省 こころの健康相談統一ダイヤルもあります。

「助けを求める」こと自体も、セルフケアの一部です。

4. 「やりたくないこと」に小さく挑む

先延ばしは、多くの場合「完璧にやらなければ」という思い込みから生まれます。

でも実は、行動することで不安が減り、エネルギーが戻ることが心理学的にも分かっています。

次のような小さなステップで「動き出す自分」を取り戻しましょう。

  • 「5分だけ」やってみる
  • 最初の1タスクだけ手をつける
  • 終わらなくても「やったこと」をメモしておく

たとえば、契約の電話をかける、メールを1通返信する。小さな達成感は大きな安心感につながります。

行動が不安を上書きし、少しずつ前に進む自信になります。

5. シャワーを浴びる|小さな行動が自己回復になる

「シャワーなんて簡単なこと」と思うかもしれません。

でも、うつ状態や深い悲しみの中では、体を洗うことすら大きな負担になることがあります。

MedicalNewsTodayなどによると、うつ病の症状の一つとして「実行機能の低下」により、入浴や着替えなどのタスクが困難になるケースが報告されています。

それでも、ほんの少しでも「できた」という体験は、心を軽くする力があります。

おすすめは「段階的セルフケア」です。

  • お湯を出して浴室を温める
  • 顔を洗うだけでもOK
  • 次に、髪を濡らすだけでも前進

本格的にシャワーを浴びられなくても、「一部でもやった」ことを肯定する。それで十分です。

その一歩が、自分を取り戻すきっかけになります。

まとめ|セルフケアは「気持ちよさ」より「持続可能性」

セルフケアとは「自分を甘やかすこと」ではなく、自分を大切に維持すること

ときには、面倒で、少し痛みを伴う行動も含まれます。

今日できることをひとつだけ選びましょう。

  • 5分だけ外に出る
  • 信頼できる人にLINEする
  • 顔を洗って深呼吸する

それだけで十分です。

小さな実践を重ねることで、あなたの心と体は、少しずつ確実に回復していきます。

今日という日を、あなたのペースで過ごしてください。

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