睡眠

たんぱく質×食物繊維で睡眠改善|日本の研究が示す睡眠の質&時間アップの秘訣

夜遅くの食事やカフェイン摂取が睡眠を妨げることは知られていましたが、日中に摂る食事の内容も睡眠の質に影響を与えることが、最新の研究で明らかになっています。

日本の睡眠研究チームは、たんぱく質と食物繊維の摂取量が多いほど、脂質や炭水化物よりも睡眠時間が長く、質が高くなると報告しました

睡眠・食事トラッキングアプリ「Pokémon Sleep」と「Asken」の4,825人分のデータを解析し、たんぱくを質6%増加で睡眠時間が0.3時間(18分)延長、脂質をたんぱく質に置き換えると入眠までの時間が平均3分42秒短縮、夜間の覚醒時間が1.8%減少することなどを確認しています。

なぜタンパク質が睡眠を助けるのか?

タンパク質は筋肉を作るだけでなく、良い睡眠をとるためにも重要です。

その理由は、タンパク質に含まれる「トリプトファン」や「チロシン」という成分が、脳内でセロトニン・メラトニン・ドーパミンといった睡眠に関わるホルモンの材料になるからです。

  • トリプトファン:眠気を促すホルモン「メラトニン」の材料になります。
  • 含まれる食品:アーモンド、アボカド、七面鳥、カッテージチーズ など。

セロトニンとドーパミンは、眠りを誘うホルモンであるメラトニンと協力して睡眠を促進します。

これらの神経伝達物質は、脳内で化学信号を送り、脳の中で「今は起きている時間か、眠る時間か」日中の覚醒と夜間の眠気を整える働きがあります。

なぜ食物繊維が睡眠を助けるのか?

食物繊維が多い食品(野菜・豆類・全粒穀物など)は、血糖値の安定、満腹感の維持、健康的な消化を助け、全てがより深く回復力のある睡眠に繋がります。

  • 血糖値を安定させる → 夜中に血糖が下がって目が覚めるのを防ぐ
  • お腹の調子を整える → 胃の不快感や胸やけで眠れないのを防ぐ
  • 腸内環境を良くする → 腸内細菌が増え、セロトニン(=メラトニンの元)が作られやすくなる

研究では、腸と脳は深くつながっていて、「腸の状態が良いと、脳の状態=睡眠も整いやすい」可能性が示唆されています。

これは、腸内細菌が睡眠調節ホルモンの生成に関わっているためです。

食物繊維が大腸で腸内細菌によって発酵されると、セロトニンの放出を促進します。

セロトニンは、眠りを誘うホルモンであるメラトニンの合成に寄与することで、睡眠と覚醒のサイクルを調節するのに役立ちます。

睡眠改善のための3つのポイント

食事は人の睡眠能力と休息の質に大きな役割を果たします。

もし睡眠に問題を抱えているなら、食事を変えることが違いを生むかもしれません。

質の良い睡眠を得るための3つの小さな変更をご紹介します。

これらを実践すれば、質の高い睡眠を手に入れられます。

1日3食バランス良く食べる

必要なビタミン、栄養素、食品群を全て含むバランスの取れた食事は、健康全般、そして健康的な睡眠機能の維持に不可欠です。

1日3食というルールは、血糖値の安定、概日リズムの調整、消化器系の健康に役立ち、全てが良い睡眠に寄与します。

規則正しい時間に3食を摂ることは、体内時計を整え、エネルギーレベルを持続させるのに役立ちます。

これにより、就寝時間になったら眠気を感じやすくなり、効率的な睡眠パターンを確立しやすくなります。

就寝の2時間前までに夕食を終える

夜遅い時間の大量の食事は、寝つきを悪くし、夜間の覚醒を増加させる可能性があります。

大量の食事を摂ると、コルチゾールレベルを上昇させ、体温を上げるため、眠りにつくのが難しくなります。

また、食後すぐに横になると、胃酸が食道に逆流しやすくなり、胸焼けや不快感を引き起こし、快適な睡眠姿勢を見つけるのを難しくします。

健康的で睡眠を誘う夜食を選ぶ

栄養士に最高の夜食について尋ねたところ、全粒穀物、カルシウム豊富な乳製品、サクランボ、アーモンドを推奨し、高糖質の甘いもの、辛い食べ物、アルコールやカフェインといった刺激物は避けるべきだとアドバイスされました。

したがって、アボカドを乗せたトースト、牛乳、ポップコーン、野菜スティックにフムスやカッテージチーズを添えたものなどは、就寝前の素晴らしい夜食となり得ます。

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