受動的攻撃行動(パッシブアグレッシブ)というのを聞いたことがあるでしょうか?
聞いた事がない人でも、無視やサボタージュのような攻撃を目にしていると思います。
受動的攻撃行動とは、怒りを直接的には表現せず、沈黙やサボタージュ、抑うつを呈して間接的に相手を困らせるなど、後ろに引くことで他者に反抗する行動のことを言います。
攻撃性や感情的な行動が、一般的なコミュニケーションを行う上で障害となるのは言うまでもありません。
インテリジェンスな人は、受動的攻撃行動のようなコミュニケーションの方が何となく良いと思っている人が多いのですが、一概にそうではありません。
確かに職場などにおいて、受動的攻撃行動は効果的な手法で、成功を納めやすい傾向が見られます。
しかし、状況によっては現状より酷い状況になる可能性もあるのです。
相手が無邪気なことを言っているように聞こえるケースでも、実際には悪意のある別の意味を言っているという場合もあります。
他人と本当の意味でのつながりや理解を求めているなら、より良い戦略が必要になります。
どのように見えるか
では受動的攻撃行動は、実際にはどのように見えるのでしょうか?
これは他人に対する間接的なジャブで、例えばX(Twitter)は受動的攻撃行動で溢れています。
モデルのクリッシー・テイゲンは、赤ちゃんを産んだ直後に夫のジョン・レジェンドとのディナーデートに出かけた時、彼女は悪い母親であるとしてフォロワーによって不当にタグ付けされ、間接的な攻撃をされました。
この件については、直接的な攻撃的ツイートもあれば、受動的攻撃行動のような間接的な表現で批判するツイートが混在していました。
研究によると、敵対的なコミュニケーションスタイルは人を遠ざけることになり、相手はあなたに対して否定的に反応する確率が著しく増加します。
これは心理的に当然で、相手は何が起こっているのか理解できず、居心地の悪さを感じるので、批判者から離れたいと思います。
ネットであれば距離を置くしかありませんが、この様な人たちと現実社会で接した時、どの様な対応をすれば良いのでしょうか?
受動的攻撃行動を行う人々に対処する方法
あなたの生活環境の中で、受動的攻撃行動を行うような人を相手にしていますか?
受動的攻撃行動は独特の問題で、心理的に「未熟」な防衛機制の一例です。
多くの場合根底にある感情、怒り、悲しみ、不安などから生じた行動で、感情の表現であったり、社会の中で関係をコントロールをしようとする試みだったりします。
ここでは、状況を処理するための4つの方法を紹介します。
1. 彼らを呼び出す
相手に対して「受動的攻撃行動を意図して行なったのか?」と言うと、相手はキレて対応するでしょう。
現行犯で捕まった相手は慌てて 「いや、違う」と否定するかもしれません。
もし、相手があなたに好意や信頼を持っている場合は、冷静に彼らの動揺の原因を尋ねることができます。
「最近、何か気になることがあるの?」など、相手が自分の感情を共有しやすい雰囲気を作ることが大切です。
このような会話は、相手が抱えている感情や問題を理解し、より良い関係を築くきっかけになります。
一方で、相手があなたに好意を持っておらず、その行動が直接的な攻撃に近い場合、より慎重な対応が求められます。
この場合、何が問題になっているのかを客観的に見直し、相手の行動の背景を分析する必要があります。
その上で、必要であれば境界線を引きつつ、問題解決に向けた行動を検討しましょう。
2. 無視する
相手が自分の主張を押し通そうとし、明らかな敵意を見せることがあるかもしれません。
しかし、その敵意に振り回されたり、それを受け入れたりする必要は決してありません。あなたには、自分自身を守り、冷静さを保つ権利があります。
逆に、相手を無視することで、相手の行動や言葉に過剰に反応するのではなく、距離を取り関係を見直す選択肢もあります。
もし、相手を無視することで関係を手放すことができれば、結果的にお互いがより満足のいく状況を得られる可能性もあります。
関係が適切な距離感を持つことで、それぞれが自分の幸せを追求できる場を作れる可能性もあります。
3. 思いやりと寛容さを持つ
受動的な攻撃行動を取る人だけでなく、直接的に攻撃的な行動を見せる人も、多くの場合、内心で大きなイライラや緊張を抱えています。彼らの感情の高ぶりは、時に周囲にも影響を与えます。
自分の中に怒りを抱え込むのは思っているより大変で、想像以上に苦しいことです。
決して心地良い状態ではなく、本人にとっても安らげる場所や幸せな状況とは程遠いものです。このため、攻撃的な態度は、しばしば彼ら自身の不安定さや苦しさを反映してしまいます。
こうした人々と接する際には、まず自分自身を守るために、明確で健全な境界線を設定することが重要です。
この境界線が、あなたの安心感を守る鍵となります。この境界線を尊重しつつ冷静に対応することで、相手とのコミュニケーションを続けることができます。
同時に、彼らがその感情の中で少しでもうまく対処し、前に進めるよう願いながら接することも大切です。
相手に変化を強要するのではなく、自分のペースで成長できるよう静かに見守る心の余裕を持つことが、良い関係を保つ助けになるでしょう。
4. 視点や気持ちを共有する
相手に対して、自身の見方や気持ちを率直に共有することを勧めてみましょう。
これによって、問題を悪化させるような間接的で曖昧なやりとりを避けることができます。
直接的なコミュニケーションを通じて、何が起こっているのかをお互いに明らかにすることで、状況をより正確に理解する機会が生まれます。
こうしたアプローチは、お互いの視点や感情を共有することで、相互の誤解や対立を解消し、問題を共に解決するための土台を築く助けとなります。
率直な対話を重ねることで、より建設的で前向きな関係性を築ける可能性が広がります。
自分で受動的攻撃行動を行う場合
会社など環境によっては受動的攻撃行動は非常に強力なジャブで、効果的な場合が多く見られます。
自分で受動的攻撃行動をせざるを得なくなった場合、まず相手を観察し、敵として十分な能力を備えているか考察する必要があります。
沈黙は金、のように何も語らず黙っていることが、雄弁よりも大切であるという場合もありますが、逆に沈黙は肯定と取られる場合もあり、相手に良いように解釈されてしまう事もあり注意が必要です。
相手が行ってきた場合は、上記の4つの方法を鑑みて対応しましょう。