「ぐっすり眠りたい」と思ったとき、多くの人が夜の工夫に目を向けます。
Talker Researchの調査によると、68%の人が「良い日を過ごすには前夜の睡眠が重要」と回答し、37%は「起床10分以内でその日の気分を予測できる」と答えています。
寝る前にスマホを見ない、カフェインを控える、アロマや音楽でリラックスする…。
もちろんそれも大切ですが、実は夜の快眠は「朝の過ごし方」で決まっているのです。
その背景には、人間の体が持つ2つの生体リズムが関係しています。
- 概日リズム(体内時計)
- 太陽の光や食事、運動などの刺激を受けて調整され、眠気や覚醒をコントロールする仕組み。
- 睡眠圧
- 起きている時間が長くなるほど高まり、夜に眠気を強める仕組み。
つまり、朝の行動によって体内時計を正しくリセットできれば、夜は自然に眠くなり、深い睡眠を得やすくなります。
逆に、朝に悪い習慣を積み重ねると、体内リズムが乱れて「眠いのに眠れない」「寝ても疲れが取れない」という悪循環に陥ってしまいます。
良い睡眠は朝から始まる
朝起きてからの健康的な習慣、例えば運動、ストレス管理、バランスの取れた食事は、夜の睡眠の質を高めます。
Sleep Cycleの睡眠科学責任者、マイケル・グラディサー博士によれば、これは「睡眠圧」と「概日リズム」という2つの生体リズムが関係しているためです。
概日リズム(体内時計)を整えることで、夜は眠りやすく、朝は目覚めやすくなります。
光、温度、食事、運動などの外部刺激が体内時計を調整するため、朝の過ごし方が睡眠に直結します。
睡眠を妨げる7つの朝習慣と改善策
ここからは、快眠を妨げる「やってはいけない朝の習慣」と、その改善法を一つずつ解説します。
1. 暗い部屋で過ごす
朝、カーテンを閉めたまま暗い部屋にいると、脳はまだ「夜」だと勘違いします。
その結果、目覚めが悪くなり、一日を通してだるさが続きやすくなります。
太陽光を浴びると「コルチゾール」という覚醒ホルモンが分泌され、頭がスッキリし、体温や代謝も上がります。
改善法
- 起きたらすぐにカーテンを開ける
- 可能なら5〜10分、外を散歩する
- 雨や曇りの日はデスクライトやライトボックスを活用する
👉 こうした習慣で、体内時計がリセットされ、夜の眠気も自然に訪れるようになります。
2. 朝食を抜く
「朝は食欲がないから…」と抜いてしまう人も多いですが、朝食は体内時計を整えるスイッチです。
食事のリズムが乱れると、昼や夜の食欲が過剰になり、睡眠にも悪影響を与えます。
改善法:
- 起床後1時間以内に軽めの朝食をとる
- 理想は「タンパク質+炭水化物+ミネラル」
- 卵やヨーグルト
- 全粒シリアルやオートミール
- バナナやベリー類
👉 特にマグネシウムや亜鉛を含む食品は、睡眠の質向上にもプラス。
3. 起きてすぐスマホを見る
SNSやニュースをチェックすると、脳は一気に情報処理モードになり、無駄にエネルギーを消費します。
「まだ頭がぼんやりしているのに、急にストレスを受ける」状態が、一日の集中力や気分に悪影響を与えます。
改善法:
- まずは深呼吸、ストレッチ、軽い瞑想を行う
- その日のやることを手帳やメモに書き出す
- スマホは朝のルーティンが終わった後に解禁する
👉 意識的に「脳を整える時間」を持つことで、夜のリラックス感も高まります。
4. スヌーズを繰り返す
目覚ましを止めてまた眠ると、体は「二度寝モード」に入り、逆に疲労感が増します。
睡眠リズムが乱れ、夜も眠りにくくなりやすいのです。
改善法:
- 目覚ましは1回で起きる習慣をつける
- 光で徐々に明るくなる「日の出アラーム」を使う
- 少しずつ音量が上がるアラームで自然に目覚める
5. 朝の運動をしない
朝に体を動かすと、覚醒ホルモンや幸せホルモン(セロトニン)が分泌され、気分が前向きになります。
夜の運動は眠りを妨げる場合がありますが、朝の運動は快眠につながります。
改善法:
- 家の周りを5〜10分歩く
ラジオ体操やヨガ、軽い筋トレも効果的
デスクワーク中心の人ほど「朝の運動」で体をリセット
6. 水分補給を怠る
寝ている間にコップ1杯分の汗をかくため、起床時は軽い脱水状態。
水分不足は頭痛や倦怠感、いびきの原因にもつながります。
改善法:
- 起きたらまず常温の水を1杯
- その後にコーヒーやお茶を楽しむ
- 日中もこまめに水分補給を意識する
7. ベッドでだらだら過ごす
ベッドの中でスマホを見たり、長くゴロゴロしたりすると、脳は「ベッド=睡眠の場」と認識できなくなります。
その結果、夜の寝付きが悪くなることも。
改善法:
- 目覚めたらすぐにベッドから出る
- ベッドは「眠るだけの場所」と決める
- 朝の支度を始める動線をつくっておく
今日からできる!睡眠の質を高める朝習慣チェックリスト
明日からすぐ取り入れられる快眠ルーティンをまとめました。
✅ 起きたらカーテンを開けて光を浴びる
✅ コップ1杯の水を飲む
✅ 起床後1時間以内に朝食をとる
✅ 5分だけ体を動かす(散歩・ストレッチ)
✅ ベッドからすぐに出る
まずは1つでも取り入れることが大切です。小さな習慣の積み重ねが、夜の深い眠りにつながります。
まとめ|朝を変えれば夜も変わる
- 快眠は「夜」だけでなく「朝の過ごし方」で決まる
- 体内時計を整え、睡眠圧を正しく働かせるには朝の行動がカギ
- 避けたいNG習慣をやめ、代わりに正しい朝習慣を取り入れることが大切
👉 最初は全部を完璧にやる必要はありません。
まずは 「朝の光」「水分補給」「ベッドからすぐに出る」の3つだけでも十分効果があります。
今日からあなたの朝を少し変えて、夜の眠りをもっと深くしましょう。