運動

ランニングの利点と初心者の始め方|三日坊主を防ぐ5ステップ

2023年9月4日

「健康のためにランニングを始めたいけれど、何から準備すればいいか分からない」

「昔挑戦したけど、キツくて三日坊主で終わってしまった……」

そのように感じていませんか?

ランニングは手軽な反面、「きつい」「膝が痛い」「飽きる」といった理由で挫折しやすい運動でもあります。

この記事は、そんなランニング初心者の方や過去に挫折した経験がある方に向けて、「絶対に挫折しないこと」を最優先に考えた「超・初心者向けの始め方」を5つのステップで徹底解説します。

高価なウェアや厳しい目標設定は不要です。

必要な持ち物は3点だけ、そして「いきなり走る」必要もありません。

この記事で紹介する「まず歩く」ことから始める方法なら、体力に自信がなくても、痛みなく、楽しくランニングを習慣化できます。

科学的にも証明されている心身の健康を手に入れましょう。

なぜランニングは続かない? まずは初心者の「挫折3大要因」を知ろう

ランニングを始めようとする多くの人が、最初の1ヶ月でやめてしまいます。その理由は驚くほど共通しています。

まずは敵を知ることから始めましょう。あなたが乗り越えるべき「3つの壁」です。

要因1:いきなり頑張りすぎる(オーバーペース・オーバーワーク)

「やるぞ!」と意気込み、初日から全力で走ってしまうのは、最も多い失敗パターンです。

走り慣れていない体で急にスピードを出すと、心肺機能が追いつかず、猛烈な息苦しさを感じます。

ランニングを「=猛烈にキツいもの」と体が覚えてしまい、翌日から外に出るのが億劫になります。

要因2:膝や足首の「痛み」(ケガ・フォームの問題)

久しぶりの運動でいきなり走ると、体重の約3倍とも言われる着地衝撃が、準備のできていない関節や筋肉を直撃します。

特に初心者はフォームが固まっておらず、膝や足首、すね(シンスプリント)などを痛めがちです。

「走ると痛い」状態になれば、続けたくても続けられません。

要因3:単純に「飽きる」(モチベーションの低下)

同じ景色の中を、一人で黙々と走る。この「単調さ」に飽きてしまう人も少なくありません。

特に最初のうちは体力の向上を実感しにくいため、「こんなことして何の意味があるんだろう?」と疑問を感じ、モチベーションが途切れてしまいます。

この記事では、これら3つの挫折要因をすべて先回りして潰す方法を紹介します。

【最重要】挫折しないための準備「持ち物」編

ランニングを始めるにあたり、「何を揃えればいいか」は最初の悩みどころです。

結論から言えば、高価なものは一切不要です。まずは「安全に」「快適に」走るための最低限の準備をしましょう。

最低限これだけ!必須アイテム3選(シューズ・ウェア・ソックス)

1. ランニングシューズ

これだけは投資してください。

後述する「痛み」の多くは、体に合わないシューズで解決できます。

2. ウェア(上下)

吸汗速乾性のあるスポーツ用のもの。

最初は手持ちのジャージやTシャツでも構いませんが、汗を吸って重くなる綿(コットン)素材は避けましょう。

3. ソックス(靴下)

ランニング専用のソックスが理想です。

滑り止めや土踏まずのサポート(アーチサポート)機能があり、マメの防止や疲労軽減に役立ちます。

【失敗しない】ランニングシューズの選び方(初心者こそクッション性重視)

初心者がシューズ選びで失敗すると、ほぼ確実にケガにつながります。

重視すべきは「デザイン」や「軽さ」ではなく、「クッション性」と「安定性」です。

  • クッション性:着地の衝撃から膝や足首を守ってくれます。
  • 安定性:足が内側や外側に倒れ込む(オーバープロネーション等)のを防ぎ、正しいフォームを補助します。

一番良いのは、スポーツ用品店で足のサイズや走り方のクセを計測してもらい、店員さんに「ランニング初心者で、まずはゆっくり走りたい」と伝えて選んでもらうことです。

ウェアは「ユニクロ」や「GU」でOK!安価に揃えるコツ

高価な専門ブランドのウェアは、ランニングが習慣になってからで十分です。

ユニクロの「ドライEX Tシャツ」やスポーツレギンス、GUのスポーツウェアなどは、非常に安価ながら吸汗速乾性に優れており、初心者ランナーに最適です。

まずは「スポーツ用のTシャツ」「短パン(またはタイツ)」「ソックス」の3点を、こうしたファストファッションブランドで揃えれば、5,000円程度でスタートできます。

あると便利!ランニングが快適になるアイテム(ポーチ・キャップ・アプリ)

必須ではありませんが、これらがあるとランニングの質が上がります。

  • ランニングポーチ:スマートフォンや鍵、小銭を入れるための揺れないポーチ。ウエストにつけるタイプやアームバンド型があります。
  • キャップ(帽子):夏の日差し(熱中症対策)や冬の防寒、雨よけに役立ちます。
  • ランニングアプリ:走った距離や時間を記録してくれるアプリ(例:Nike Run Club, Stravaなど)。モチベーション維持に絶大な効果があります。

【挫折回避】超・初心者のためのランニングの始め方 5ステップ

準備ができたら、いよいよ走り出します。

ここでの鉄則は「絶対に頑張らないこと」です。「10kmレース」のような目標は、今のあなたには不要です。

Step 1:まずは「走る格好で5分歩く」だけ

「え、走らないの?」と思うかもしれませんが、これが最重要ステップです。

初日は、ランニングウェアに着替えて、シューズを履いて、外に出て5分(できれば10分)ウォーキングするだけで満点です。

これは「ランニングの習慣」を作るための第一歩。体ではなく、脳に「ランニングは面倒ではない」と覚えさせることが目的です。

Step 2:「5分歩く」+「1分走る」を繰り返す(スロージョギング)

外に出ることに慣れたら、いよいよ走ります。

しかし、連続で走る必要はありません。

「早歩き5分」+「ゆっくり走る1分」

これを3〜4セット繰り返すことから始めましょう。いわゆる「ウォーク&ラン(スロージョギング)」です。

体力がついてきたら、「3分歩く+3分走る」「1分歩く+5分走る」と、走る時間の割合を少しずつ増やしていけばOKです。

Step 3:ペースは「鼻歌が歌える」余裕を持つこと(元稿の「会話できるペース」を強化)

初心者が陥る「オーバーペース」を防ぐ魔法の言葉が「鼻歌」です。

息が「ハァ、ハァ」と切れるペースは、明らかに速すぎます。隣に人がいると仮定して「会話が余裕でできる」、あるいは「好きな歌のサビが歌える」くらいの超ゆっくりペースを維持してください。

これは有酸素運動として脂肪燃焼効果が最も高いペースでもあります。

Step 4:距離より「時間」。まずは合計20分を目指す

「今日は3km走る」といった「距離」の目標は、その日の体調によって達成の難易度が変わるため、プレッシャーになります。

初心者は「時間」で目標を立てましょう。

まずはウォーキングとランニングを合わせて「合計20分」外にいることを目指します。慣れてきたら25分、30分と伸ばしていきましょう。

Step 5:頻度は「週2回」で十分。「休む」も練習と心得る

「毎日走らないと」と気負う必要はまったくありません。

初心者は、筋肉や関節を回復させる時間(リカバリー)が不可欠です。まずは「週2回」(例:水曜と土曜)走れれば完璧です。

疲労が溜まった状態で走るとケガの原因になります。「しっかり休むこと」も、ランニングを続けるための重要な練習の一つだと心得ましょう。

「痛み」を防ぐ必須テクニック|ストレッチとフォーム

ランニングを挫折させる最大の要因である「痛み」は、走る前後のケアで予防できます。

走る前は「動的ストレッチ」でケガ予防

走る前は、筋肉を温め、関節の可動域を広げる「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」が推奨されます。

その場でじっと伸ばす静的ストレッチは、筋肉が冷えている状態で行うと逆効果になることもあります。

  • 腕回し(肩甲骨)
  • 屈伸(膝)
  • 足首回し
  • 軽いもも上げ
  • 脚の前後・左右振り(股関節)

これらを各10回程度、リズミカルに行い、体を温めましょう。

走った後は「静的ストレッチ」で疲労回復

走り終わった後は、使った筋肉をじっくり伸ばす「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」で、疲労回復を促します。

  • 太ももの前(大腿四頭筋)
  • 太ももの裏(ハムストリングス)
  • ふくらはぎ
  • お尻

それぞれ「痛気持ちいい」程度で、反動をつけずに20〜30秒キープします。

研究で推奨されている通り、このクールダウンが翌日の筋肉痛やケガのリスクを大幅に減らします。

これだけは意識したい「正しいフォーム」の基本3つ

難しい理論は不要です。

痛みなく走るために、以下の3点だけ意識してください。

  1. 目線は遠く、まっすぐ前に:足元を見ると猫背になり、首や腰に負担がかかります。
  2. 軽く肘を曲げ、腕を「後ろに」引く:腕を前に振るのではなく、後ろに引く意識を持つと、骨盤が連動して脚が自然に前に出ます。
  3. 足は「体の真下」に着地する:大股で体の前に着地しようとすると、膝にブレーキがかかり痛みの原因になります。小さな歩幅(ピッチ)で、体の重心の真下に着地するイメージです。

ランニングのメリットと「飽き」を防ぐモチベーション維持術

最後に、挫折要因の「飽き」をどう乗り越えるか、そしてその先にある素晴らしいメリットについて解説します。

【科学的根拠】ランニングがもたらす絶大なメリット(元稿の内容をリライト)

なぜ走るのか? そのメリットは計り知れません。元稿でも紹介されている通り、ランニングは科学的に多くの効果が証明されています。

ランニングアプリや音楽で「楽しさ」をプラスする

「飽き」への対策として最も簡単なのは、スマートフォンを活用することです。

  • 音楽やポッドキャストを聴く:好きな音楽やラジオを聴けば、20〜30分はあっという間です。
  • ランニングアプリを使う:前述のアプリで自分の走った距離やルートが地図上に記録されると、達成感が視覚化され、ゲーム感覚で続けられます。

小さな目標(ゴール)を設定し、達成感を味わう

「10kmレース」のような大きな目標は、達成できれば良いですが、プレッシャーにもなります。

それよりも「今週は合計2回走れた」「先週より1分長く走れた」「近所の公園まで止まらずに走れた」といった、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。

SNSで「今日も走った」と軽く記録するのも、モチベーション維持に非常に効果的です。

まとめ|まずはシューズを履いて外に出ることから始めよう

ランニングの始め方で最も重要なのは、「完璧に走ろうとしないこと」そして「挫折しない工夫をすること」です。

この記事で紹介した5つのステップをもう一度おさらいします。

  1. 挫折要因(頑張りすぎ・痛み・飽き)を知る
  2. 必須アイテム3点(シューズ・ウェア・ソックス)を揃える
  3. 「歩く」から始め、時間と頻度のハードルを極限まで下げる
  4. ストレッチとフォームで「痛み」を予防する
  5. アプリや音楽で「飽き」を防ぐ

まずはシューズを履き、外に出て5分歩くだけで構いません。

それが、健康で幸せな生活に向けた、偉大な第一歩です。

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