何か「テーマを考えるのは簡単」と思ったあなた、それは幻想です。
何を書けばいいかわからない、話が噛み合わないと言われる、自分の主張がまとまらない。これが普通です。
原因の多くは「主題」と「構成」が曖昧であることにあります。
主題を生み出すことは、他人の話題に乗っかるのとは違い、自分の思考・観察・経験をもとに「ゼロから火を起こす」行為です。
この記事では、主題の見つけ方から、読者に伝わる構成の作り方、さらに思考を整える改善ステップまでを、プロの編集者視点で体系的に解説します。
この記事を読み終える頃には、自分の主題を1つ生み出し、構成テンプレートにはめて30分で記事が書けるようになります。
主題とは何か?「トピック」との違いを理解する
主題とは「自分が伝えたい核心」であり、トピック(話題)は「その周辺にある扱う事象」です。
たとえば「AIと仕事」というトピックがあっても、主題は「AI時代に人間が磨くべき能力」のように「筆者の観点」が伴います。
主題があると発信は一貫し、読者の心を動かしやすくなります。逆に、トピックだけで書くと表面的になり、薄い印象のコンテンツになります。
主題と話題(トピック)は別物
話題は他人から提供されますが、主題は自分の中からしか生まれません。
この違いを理解すると、「ネタがない」という悩みは大幅に減ります。
主題が明確だと説得力が2倍になる理由
主題は「文章の磁石」です。
主題があると情報が集まり、構成が整い、読者が迷わなくなります。
主題を生み出すことが難しい3つの理由
主題づくりが難しいのは、才能不足ではなくプロセスの負荷が高いためです。
1. 他人の主題で話す方が圧倒的にラクだから
SNSの話題に乗る、他人が決めた議題で話す、というのは「すでに敷かれたレール」を歩く行為です。
しかし自分で主題を作るのは、暗闇で宝探しをするようなもの。道を作る側は負荷が高いのです。
2. 観察→調査→思考のプロセスが重労働だから
主題づくりは「気づく → 調べる → 考える」の連続です。
クリエイターや書き手が苦しむのは、この工程を一人で回さなければいけない点にあります。
3. 反応が少ない時期を越える忍耐が必要だから
どれだけ質の高い発信でも、最初の露出は少ないものです。
「いいね」が伸びなくても続けられる人だけが主題を磨いていけます。
構成力が弱い人の特徴と、話が噛み合わなくなる理由
構成力が弱いと、話の「地図」が見えなくなり、議論や文章が噛み合わなくなります。
話の全体像を捉えられない=論理地図が読めていない
部分だけを見て全体を誤解する「話の迷子」が生まれます。
これはジグソーパズルの1ピースを見て「イルカだ!」と断定するのと似ています。
一部だけを都合よく切り取る「認知の偏り」が起こる
チェリーピッキングやストローマン論法と呼ばれ、無意識の認知の癖から発生します。
構成力が不足すると、情報の全体像を扱えないため、この癖が強く出ます。
ビジネスで評価される人は構成力が高い
会議で信頼される人は「前提 → 目的 → 結論」を筋道立てて話せます。
構成力はコミュニケーション能力の中核です。
主題を生み出すための具体ステップ
ステップ1:最近気になった出来事・違和感を3つ書き出す
主題の原点は「違和感」です。
感情が動いた瞬間をメモに残しましょう。
ステップ2:その理由を3回「なぜ?」で深掘りする
違和感の正体が明確になり、テーマの方向性が定まります。
ステップ3:感情・問題・価値観を抽出する
ここで見えるものが「主題の原石」です。
例
- 違和感→会議の生産性の低さ
- 価値観→論理的に話す文化の重要性
ステップ4:読者に提供できる「1つの答え」にまとめる
主題とは「あなたが読者に届けたい結論」です。
記事・企画の構成テンプレート(そのまま使える)
構成力を一気に高めたいなら、テンプレを使うのが最速です。
PREP法(最短構成)
- 結論
- 理由
- 具体例
- 結論(再提示)
PUCAモデル(問題→理解→解決→行動)
- Problem:課題の明確化
- Understanding:背景理解
- Cure:解決策
- Action:行動提案
元原稿を使ったビフォーアフター構成
元原稿の「主題の難しさ → 構成の難しさ → 改善法」を整理し直し、筋の通った構成として提示します。
改善力を高める|思考を整えるための6ステップ
思考が散らかっていると、主題がぶれたり構成が乱れたりします。
ここでは、認知行動療法(CBT)を参考に、「自分の思考を落ち着いて扱える状態」に整えるための6ステップを紹介します。
文章づくりにも、日常の意思決定にも使える「思考の整理法」です。
1. 感情をまず言葉にしてみる
「モヤモヤ」「イラッとした」「焦っている」など、いまの感情に最初のラベルを貼ります。
これだけで、思考と感情が分離し始め、冷静さが戻ります。
2. 感情の強さを数値化する(0〜10)
数値で捉えることで、「ただ漠然としんどい」状態が「今は7くらいか」という把握に変わります。
感情の強さは、後で再評価するときにも役立ちます。
3. 頭に浮かんでいる考えをすべて書き出す
主観・妄想・事実・解釈などを区別せずに出し切ります。
思考の渋滞を解消し、整理するための材料を並べる工程です。
4. 書き出した中から「パターン」を見つける
同じ種類の考えが繰り返されていないか、極端な解釈がないかを探します。
「完璧主義」「最悪思考」「根拠のない一般化」など、自分の癖が見えてきます。
5. その考えに別の見方を与えてみる
「本当にそうだろうか?」「別の可能性は?」と問い直します。
事実と解釈を分けると、極端な思考が和らぎ、より現実的な視点が戻ってきます。
6. 感情の変化をもう一度チェックする
ステップ1でつけた感情の強さを再度数値化します。
「10→4」のように変化が見えると、自分が「整った状態」に近づいたことを客観的に確認できます。
この6ステップを踏むと、感情に引っ張られにくくなり、主題づくりや構成づくりに必要な「思考のクリアさ」が大きく高まります。
よくある質問(FAQ)
Q. 主題が毎回変わってもいい?
A. 問題ありません。主題は「その時の関心」でOKです。
Q. 構成力はどれくらいで鍛えられる?
A. 毎日1本「構成だけ」作れば1〜3ヶ月で劇的に向上します。
Q. ネタがないときは?
A. 違和感メモを習慣化すれば枯渇しません。
Q. 反応が少ないと心が折れる
A. 最初は必ず反応が少ない時期があります。続けた人だけが主題を磨けます。
まとめ|今日からできる「主題力×構成力」30分トレーニング
- 5分:気になった事象を書き出す
- 10分:「なぜ?」を深掘り
- 10分:構成テンプレにはめる
- 5分:下書き or 公開
まずはこの30分を1回、実践してみてください。
継続すれば必ず「主題を生み出せる人」になります。
主題力と構成力は武器になります。ぜひ今日から磨き始めてください。