現代ではスマホゲームやオンラインゲームが身近になり、多くの人が隙間時間に楽しんでいます。
しかし、気づかぬうちに生活や人間関係に悪影響を及ぼすケースもあります。
この記事では、ゲーム依存症(ゲーミング障害)の兆候やWHO・DSM-5の定義を解説し、チェックリストで自分や家族の状態を確認できます。
さらに、予防や改善のための実践的な対策法、専門家の助言も紹介。ゲームと上手に付き合うための指針を提供します。
ゲーム中毒とは何か?
WHO・DSM-5におけるゲーミング障害の定義
ゲーム中毒(ゲーミング障害)は、生活の他の側面を圧迫するほどゲームを優先してしまう行動パターンを指します。
- WHO(国際疾病分類ICD-11)
- 2018年より「ゲーミング障害」を精神疾患として公式に認定。制御障害・優先順位の偏り・生活への影響の3つを特徴とする。
- DSM-5(米国精神医学会)
- 公式には依存症として認めていないが、「インターネットゲーム性障害」として研究対象に含め、暫定的な診断基準を提示。
ゲーム中毒と熱中の違い
熱中すること自体は悪くありません。
問題は、以下の状況です。
- 生活リズムが崩れる
- 学業や仕事、人間関係に支障が出る
- ゲームをやめられない
熱中と中毒の線引きは、生活への影響の大きさで判断されます。
ゲーム中毒の兆候チェック
DSM-5提案の9つの兆候
以下の兆候が1年間で5つ以上見られる場合、問題の可能性があります。
- いつもゲームのことを考えている
- ゲームできないと気分が悪くなる
- 気分を良くするためにプレイ時間を増やす
- ゲームをやめられない
- 以前好きだった他の活動が減った
- ゲームが原因で仕事・学校・家庭で問題が発生
- 問題があるにもかかわらずプレイを継続
- プレイ時間を周囲に隠す
- 悪い気分を和らげるためにゲームを利用
生活への影響と見極め方
- 睡眠不足や運動不足
- 学業成績・仕事効率の低下
- 家族や友人との関係悪化
親や本人がこれらを認識することが、早期改善への第一歩です。
なぜゲーム中毒になるのか?
心理的要因
- 報酬システム:レベルアップや報酬で脳が快感を感じ、やめにくくなる
- ストレス・孤独:現実逃避の手段として利用
- 習慣化:短時間のプレイでも毎日繰り返すことで依存化
年齢・性別・社会的要因
- 青年期の男性に多く見られる傾向
- アジア諸国で報告例が比較的多い
- 社会的ストレスや家庭環境も影響
ゲーム中毒を防ぐ・対策する方法
大人向けの時間管理・生活習慣改善
- 遊ぶ時間を1日1〜2時間までに制限
- 夜間はスマホやゲーム機を寝室に置かない
- 運動や趣味など他の活動を優先的に取り入れる
子ども向けの親の関わり方・制限方法
- 年齢に応じたゲーム選び
- 遊ぶ時間をルール化し徹底
- 親子で一緒にゲーム内容を確認し、コミュニケーションを重視
ゲームの種類や環境を工夫する
- 単純な作業型ゲームより、教育的・創造的要素のあるゲームを選ぶ
- オンライン接続時間を制限できる設定を活用
困ったときは専門家へ相談
医師・カウンセラーに相談するタイミング
- 自分や家族だけでは制御できない
- 生活や人間関係に顕著な悪影響が出ている
認知行動療法(CBT)の概要と効果
- ゲームへの考え方を変え、行動パターンを改善
- 親を交えた介入で効果が高まることも研究で示されている
まとめ
ゲーム中毒は、決してゲームそのものが悪いわけではありません。
しかし、生活や人間関係に悪影響を及ぼす兆候があれば早めの対策が必要です。
- チェックリストで自分や家族の状態を確認
- 生活リズムや時間管理でゲームとのバランスを調整
- 必要に応じて専門家に相談
ゲームを上手に楽しみ、生活全体の質を守ることが最も重要です。