「眠りたいのになかなか寝つけない」焦るほど、逆に頭が冴えてしまう。
布団に入っても仕事のことが頭を離れない、手足が冷えてなんとなく落ち着かない…。
そんな夜に取り入れ、驚くほどスムーズに入眠できるようになった習慣があります。
それが、寝る前の「温かい一杯」を飲むことです。
「飲み物を飲むだけで変わるの?」と思われるかもしれませんが、実はこれには「深部体温」と「脳の切り替え」という明確な理由があります。
なぜ温かい飲み物が眠りを助けるのかというメカニズムから、実際に試してよかったドリンクレシピ、そして夜中にトイレへ起きないための「飲むタイミング」について具体的に紹介します。

なぜ「寝る前の温かい一杯」が眠りを誘うのか?
「寝る前に飲み物なんて、本当に意味があるの?」と疑問に思うかもしれません。
しかし、実際に続けてみるとわかります。
寝る前の温かい飲み物は、単なる気休めではなく、身体的な反応を利用して眠りを後押ししてくれるのです。
主な理由は、以下の3つのポイントに集約されます。
1. 脳に「オフの時間」を告げるルーティン効果
赤ちゃんに「お風呂・ミルク・読み聞かせ・寝る」という流れがあるように、大人にも「眠りのスイッチ」を入れる儀式(スリープ・リチュアル)が必要です。
日中、私たちの脳は常に情報処理に追われ、興奮状態(交感神経が優位)にあります。
毎晩決まった時間に、決まった味の温かい飲み物を口にすることで、脳が「あ、この味がしたらもう寝る時間なんだ」と学習し、自然と休息モードへ切り替わりやすくなります。
2. 【重要】「深部体温」の変化が自然な眠気を呼ぶ
これは睡眠の科学において非常に重要なポイントです。
人は「深部体温(体の中心の温度)が上がって、その後急激に下がるとき」に強い眠気を感じるようにできています。
お風呂上がりに眠くなるのもこの原理ですが、温かい飲み物にも似た効果が期待できます。
内臓からじんわりと温まることで一時的に体温が上がり、その後徐々に体温が放熱されていく過程で、自然な眠気が訪れやすくなるのです。
特に手足が冷えやすい方は、飲み物で末端の血流を促すことが有効なアプローチになります。
3. 副交感神経を優位にするリラックス作用
温かい蒸気に乗ったハーブやスパイスの香りを深く吸い込むことで、副交感神経が刺激され、張り詰めていた肩の力がふっと抜けるような感覚を得られます。
また、牛乳などの一部の食材には、睡眠リズムに関わる「トリプトファン」などの成分が含まれており、栄養面からもリラックスをサポートしてくれます。

今日から試せる!おすすめ快眠ドリンク3選と注意点
では、具体的にどんな飲み物が寝る前に向いているのでしょうか?
ここでは私が実際に試し、味も効果も続けやすいと感じた3つのドリンクを紹介します。
※重要: ハーブやスパイスは薬ではありませんが、体質や体調によっては合わない場合があります。
特に妊娠中・授乳中の方、持病をお持ちの方は、必ず医師に相談の上で取り入れてください。
1. ターメリックミルク|黄金のミルク
インドの伝統医学アーユルヴェーダでも親しまれ、欧米では「ゴールデンミルク」として定番の寝る前ドリンクです。
- 特徴:ターメリック(ウコン)に含まれる「クルクミン」には抗酸化作用があり、日中のストレスケアに役立つと言われています。
- 作り方:温めた牛乳(またはアーモンドミルク)に、ターメリックパウダー小さじ1/2、少量のハチミツを加えて混ぜるだけ。
- ポイント:クルクミンの吸収を高めるため、ほんの少しの黒胡椒を加えるのが本格的なレシピです。独特の土っぽい香りが気になる場合は、シナモンを足すと飲みやすくなります。
【注意点】
ウコン(ターメリック)は、胆道閉鎖症などの胆道系疾患がある方、肝臓障害がある方は摂取を避けるべきとされています。
また、妊娠中の方も大量摂取は控えてください。
2. ノンカフェインのフルーツ&ハーブティー
「ミルクでお腹がゴロゴロするのが心配」という人には、ハーブティーが最適です。
- カモミール:リラックスハーブの代表格。優しいリンゴのような甘い香りが特徴です。
- ラベンダー:不安や緊張をほぐしたい夜におすすめ。香りが強いので薄めに淹れるのがコツです。
- ペパーミント:胃腸の不快感があるときに。スッキリしますが、覚醒しないよう温かいうちに飲みましょう。
【注意点】
ハーブティーを選ぶ際は、必ずパッケージに「ノンカフェイン(カフェインレス)」と書かれているものを選びましょう。
また、カモミールなどのキク科植物にアレルギーがある方は注意が必要です。
妊娠中の方は、子宮収縮作用のあるハーブを避ける必要があるため、必ず「妊婦用ブレンド」などを選んでください。
3. クローブ水
最近、美容感度の高い層やSNSで話題になっているのが「クローブ水」です。
- 特徴: クローブ(丁子)は「百里香」とも呼ばれる香り高いスパイス。オイゲノールという成分を含み、高ぶった神経を鎮める効果が期待されています。
- 作り方:コップ1杯の水にクローブ(ホール)を4〜5粒入れ、小鍋で色がつくまで煮出すか、熱湯に入れて10分ほど蒸らします。
- 味:かなりスパイシーで独特の薬効感があります。初めての方は薄めに作るか、ハチミツやレモンを加えると飲みやすくなります。
【注意点】
クローブに含まれるオイゲノールは強力な成分です。過剰摂取は肝臓に負担をかける可能性があります。
1日1杯程度にとどめ、妊娠中・授乳中の方や小さなお子様は摂取を控えてください。

逆効果を防ぐ!「飲むタイミング」とトイレ・虫歯対策
「寝る前の飲み物は、夜中にトイレに行きたくなりそうで怖い」
この不安を持つ方は非常に多いです。睡眠の質を下げずにドリンク習慣を取り入れるには、タイミングと量が鍵を握ります。
ベストなタイミングは「就寝の1時間前」
布団に入る直前に飲むのはおすすめしません。
前述した「深部体温」のメカニズムを思い出してください。
温かい飲み物で体温を少し上げ、それが下がってくるタイミングで布団に入るのが理想です。飲んでから体温が下がり始めるまでには少し時間がかかります。
また、就寝1時間前に飲み終えておけば、寝る前に一度トイレに行く余裕が生まれます。
これにより、夜中に尿意で目が覚めるリスクを減らすことができます。
飲みすぎ注意!コップ1杯(約150ml)が適量
「体にいいから」といってガブガブ飲むのは逆効果です。胃腸に負担をかけ、消化活動のために体が休まらなくなってしまいます。
マグカップ並々と注ぐのではなく、小ぶりのカップ1杯、あるいはいつものマグカップの半分程度(150ml前後)を目安にしましょう。
これでも十分に体は温まりますし、心も満たされます。
歯磨きはいつする?入眠儀式の理想的なフロー
甘いハチミツ入りのミルクなどを飲んだ後は、虫歯リスクが気になります。
おすすめのフローは以下の通りです。
- 入浴
- ドリンクタイム(就寝1時間前):ゆったりとスマホを置いて味わう
- 歯磨き・トイレ:ここで口の中をリセット
- 就寝:体温が下がってきたタイミングで布団へ
「飲んだ直後に寝落ちしたい」という方は、糖分を含まないハーブティーや白湯を選べば、簡単なうがい程度でも心理的な負担は減るでしょう(歯科衛生の観点からは歯磨き推奨です)。

これだけはNG! 眠りを妨げる飲み物と注意点
最後に、良かれと思ってやってしまいがちなNG習慣を確認しておきましょう。
- カフェイン入りの飲み物:コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク、高カカオチョコレートなど。カフェインの覚醒作用は数時間続くため、夕方以降は控えましょう。
- アルコール(寝酒):アルコールは一時的に眠気を誘いますが、睡眠の質を著しく低下させます。中途覚醒の原因となり、疲れが取れない原因となります。
- 冷たい飲み物:内臓を冷やすと深部体温の調整がうまくいかず、目が冴えてしまうことがあります。常温以上のものを飲みましょう。
- 糖分の過剰摂取:甘すぎるココアやジュースは血糖値を急上昇させ、その後の急降下で自律神経を乱します。甘みはハチミツ少量程度に留めましょう。
まとめ|小さな習慣が眠りの質を変える
眠れない夜が続くと、「私は不眠体質なんだ」「今日もまた眠れないかも」と不安になりがちです。
しかし、睡眠は「技術」で改善できる部分がたくさんあります。
寝る前の1時間を、スマホを見る時間から「温かい飲み物をゆっくり味わう時間」に変えること。
これだけのことで、体も心も自然と「おやすみモード」に切り替わっていきます。
まずは今夜、キッチンにあるもので一杯の温かい飲み物を用意してみませんか?その温もりが、あなたを心地よい眠りへと誘ってくれるはずです。
次に読む記事: