世の中には一度話し出すと、話題の内容に関わらず大量に物事を話しだす、異常に口数が多い人がいます。
1回の会話量が多すぎる人には明確な問題があり、原因があり興味深い心理が隠れています。
「あの人何故こんなに話すんだろう？」という疑問の背景には、意外と深い理由が潜んでいるかもしれません。
口数が多い人に困っている賢明な人なら、うなずける発見があるはずです。
1. 話すことと聞くことのバランスを理解していない
口数が多い人々は、自己中心的であるか、そもそも話すことと聞くことのバランスを理解していません。
良い会話とは、話すことと聞くことの間にバランスがあるときに生じます。
話すことは、自分の考えや感情、懸念を表現する機会を提供します。一方、聞くことは、パートナーの視点を理解し、共感する機会を提供します。
口数が多い人は「自分の意見を表現する事」に重きを置きすぎて、他人の意見を聞くことを忘れています。
多様な視点を理解し、共感する機会を自ら失っているので不快な印象を持たれます。
2. コミュニケーションの不適切な強化
「コミュニケーションの不適切な強化」とは、特定の行動が誤って助長されることを指します。
例えば、口数が多い人が話すたびに注意を引くことができると学習した場合、その人はさらに多く話す傾向があります。
逆に「適切な強化」は、望ましい行動を奨励するための手段です。
例えば、口数が多い人が他人の話を聞くときにポジティブなフィードバックを受け取ると、その人は他人の話をもっと聞くようになる可能性が高まります。
このように、不適切な強化は問題行動を増加させる可能性がありますが、適切な強化は望ましい行動を増加させ、問題行動を減少させる可能性があります。
口数が多い人とのコミュニケーションには、適切な強化を使用して公平な参加を促すことが重要です。
3. コミュニケーションが下手
不思議なことに、おしゃべりが止まらない人の中には、実は「コミュニケーション下手」な人が多いです。
一見矛盾しているように思えますが、考えてみれば納得がいきます。
「強迫的な話し手」という言葉をご存知でしょうか？自分の話す量が突出して多いことに気づかない、または、相手がどんな表情や反応をしているのかが読み取れない人たちのことです。
つまり、話すことはできても、「対話」が苦手なんです。
まるで一人芝居のように話し続ける人は、実は「聴く力」が不足していることが多いのです。
相手の気持ちに寄り添い、意見を受け止める—そんな基本的なコミュニケーションのバランス感覚が、どこかで失われているのかもしれません。
人と人との関係を育むには、話すことと聴くことの絶妙なバランスが必要です。
4. 強迫的な話し手
強迫的な話し手は、「話すことの中毒者」（talkaholics）とも呼ばれ、他人が自分の話す量に問題を感じていることを認識していないことが多いです。
自分が会話を独占していることも、周りの人が「あ、また始まった...」とため息をつく瞬間も、「話を切り上げて」というサインを送る表情も、彼らは認識していません。
顕著なのが、マニアックな話題の時に、普段控えめな人でも豹変して一人舞台を始める人がいます。
オタクが早口で話すのと同じで、相手とコミニュケーションを取りたいのではなく、自分の頭の中の情報をアウトプットすることに優越感を感じています。
対処法
口数が多い人と付き合うための対処法はいくつかあります。
これらの対処法は、口数が多い人との関係を改善し、より良いコミュニケーションを促進しますが、これらの方法が必ずしも全ての人に効果的であるとは限らないことを念頭において対処して下さい。
1. アジェンダを作成する
まずは、「作戦会議」から。会話の目的や目標を明確にすることで、話題がそれから逸れるのを防ぐことができます。
例えば「今日は新商品について30分話し合いましょう」といった具合に境界条件を設けるだけでもだいぶ違います。
2. 会話の流れをコントロールする
会話の「交通整理」も大切。話題を適切な方向に導くことで、会話をコントロールすることができます。
話題が遠くへ飛んでいきそうになったら、さりげなく軌道修正。「さっきの話に戻すと」なんて声かけも効果的です。
3. 会話の時間を調整する
会話の「タイムマネジメント」も忘れずに。話す時間を制限することで、他の人も意見を述べる機会を得られます。
多く話す人に対しては境界条件が有効です。「15分後に次の予定があるので」と予め伝えておけば、自然と話も要点を絞ってもらえる可能性が高まります。
会話を特定の時間に制限することで、他のタスクに集中する時間を確保することができます。
4. 正直なフィードバックを伝える
相手によっては、正直な気持ちを伝えることが必要になるかもしれません。
適切なタイミングで「もう少しコンパクトに話してもらえると嬉しい」など。
これは言い方が肝心で「自分は〜と感じる」という表現を使うと、相手も受け入れやすいものです。
5. 大局的な視点を持つ
相手の話す意図や背景を理解し、どのように対応すれば良いかを戦略的に考えることで、コミュニケーションが可能になります。
大切なのは、相手の気持ちに寄り添うことです。
なぜそんなに話したいのか、その背景にある思いを理解できれば、より良い関係づくりのヒントが見えてくるはずです。
最後に
以上が、口数が多い人の心理についての一般的な理解を深めるのに役立つ考えです。
「話し過ぎる人」の心理を紐解くと、実は興味深い発見があります。
一見「おしゃべり上手」に見えて、実は「対話下手」という逆説が煩わしさの原因です。
相手の反応を読み取れない「話中毒」の人達は、自分の言葉の洪水に気づいていません。
しかし、工夫次第で関係は変わります。会話の時間や目的を決める、正直な気持ちを伝える、その人の背景にある思いに寄り添うこと。これが、良い関係を築くための鍵になります。
寄り添いたくない相手であるなら、放っておくしかありません。
会話とはテニスのラリーのように、話すことと聴くことのバランスが取れた時、初めて本当の対話が生まれます。