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誰かに教えられることに固執しないで自分の経験から学ぼう

2024年8月20日

近年、自己啓発本やオンライン講座、SNSでの発信、コーチングなど、学びの手段は無限に広がっています。

しかし「たくさん学んでいるはずなのに、なぜか変われない」と悩む人は少なくありません。

その原因のひとつが、「教えられることに頼りすぎる学び方」です。

学びを外部に依存しすぎると、自分の主体性や創造性を失い、本来の成長を妨げてしまいます。

本記事では、自己啓発に疲れた人や「ノウハウコレクター」状態に陥っている人に向けて、

  • 他罰的な思考
  • 創造性の制限
  • 自己肯定感の喪失

という3つの落とし穴を解説しながら、自分の経験から学ぶ重要性を考えていきます。

他罰的な考えにとらわれると成長が止まる

他罰的思考の負の連鎖図

  • 「誰かが教えてくれないから分からない」
  • 「本に書いてある通りにやったのにうまくいかない」
  • 「サポートがないから挫折した」

これらの言葉は、一見すると正当な理由のように聞こえます。

しかし実際には、自分の判断や責任を外部に委ねているサインです。

他罰的な考え方に陥ると、行動の主導権を自分で握れず、いつまでも前に進めません。

本当に学びを活かすには、自分で行動し、試行錯誤し、その経験からフィードバックを得ることが不可欠です。

創造性の制限|教えを鵜呑みにすると可能性が狭まる

教えを鵜呑みにした学習 vs 創造型学習の比較

  • 「先生が教えてくれたことをやればいい」
  • 「本に書かれている通りにすれば成功できるはず」
  • 「コーチの言葉さえ守れば安心だ」

このように、外部の知識に満足してしまうと、自分の可能性や創造性を制限することになります。

教えに従うだけでは、自分に合った工夫や新しい発想が生まれません。
結果として、「正解を探すだけの学び」になり、挑戦する力や創造性が枯れてしまうのです。

成長のためには、情報を受け取るだけでなく、自分の興味や好奇心を追求し、自分なりのやり方を発見する姿勢が重要です。

自己肯定感の喪失|他人の基準に縛られる危険

他人基準依存による自信喪失のフロー

  • 「先生に褒められなかったから自分はダメだ」
  • 「本の方法を完璧に実践できなかったから意味がない」
  • 「コーチに指摘されたから自信を失った」

こうした考えは、自分の価値を他人や基準に委ねてしまっている状態です。

その結果、自分自身を肯定できず、「学んでも成果を感じられない」という悪循環に陥ります。

本当に大切なのは、他人の基準ではなく、自分自身の成長を尺度にすることです。

昨日の自分と比べて一歩でも進んでいれば、それが本物の成長なのです。

【処方箋】学びを「消費」から「創造」へシフトする

ここまで読んで「確かに自分も当てはまるかもしれない」と感じたなら、大丈夫。解決のカギは、「学びの姿勢」を変えることにあります。

本やセミナーから得られるのは、あくまで「材料」にすぎません。

それを自分なりに咀嚼し、実際に試すことで初めて「学び」が完成するのです。

私自身も、自己啓発を「消費」するだけでは変われませんでした。

しかし、ある時行動を変えて、小さな実験を始めました。

たとえば、ビジネス書に書かれていた「毎朝30分の計画を立てる」という方法。以前は「明日から毎日1時間、完璧にやらなければ」と意気込み、結局三日坊主でした。

しかし、今回は「5分でいいから書き出してみよう」と軽い気持ちで実践したのです。

すると、その小さな行動から驚くほどの気づきが得られました。

つまり、学びは「消費」ではなく「創造」だということ。自分の経験に落とし込み、自分仕様にアレンジしてこそ意味を持ちます。

今日から始める「経験学習」の小さな3ステップ

経験学習による成長サイクルを示す図解

では、どうやって「自分の経験から学ぶ」姿勢を育てていけばいいのでしょうか?

今日からできる3つのステップを紹介します。

ステップ1 情報をそのまま信じず「自分ならどうするか?」と仮説を立てる

本やセミナーで学んだことを、そのままコピーする必要はありません。

学んだ瞬間に「これを自分の環境に当てはめるとどうなるだろう?」と考えるだけで、学びが能動的になります。

ステップ2 完璧な準備は不要。「30分だけ」の小さな実験をする

いきなり大きな挑戦は必要ありません。

「明日の朝だけ」「30分だけ」といった小さな枠で試すのがコツです。

小さな実験なら、失敗してもダメージはありません。

それでも「やった」という事実が、次の行動につながります。

ステップ3 結果を「正解/不正解」でなく「何が起きたか」で観察する

経験から学ぶために大切なのは、結果をジャッジしないことです。

「成功した/失敗した」ではなく、「何が起きたか?」を淡々と観察しましょう。

その記録こそが、自分だけの「人生の教科書」になっていきます。

まとめ|自分の経験から学ぶことが最大の成長につながる

ここまで紹介したように、教えられることに頼りすぎると、

  • 責任を他人に委ねてしまう(他罰的思考)
  • 創造性を失ってしまう(創造性の制限)
  • 自信をなくしてしまう(自己肯定感の喪失)

という3つのリスクがあります。

学びとは、外部から与えられるものではなく、自分の経験を通じて初めて身につくものです。

本やコーチングはあくまで「きっかけ」や「補助」に過ぎません。

自分の経験を観察し、そこから学びを見出すことこそ、自己成長の最も確かな道です。

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