不運な事に、過去に働いていた職場で、更迭された人と仕事をしていた時期があります。
前職で更迭された人が転職し、新しい職場で奮闘した結果、周囲の6〜7割が退職したようなケースもあります。
他人事だと思っていても、実は意外と見かけます。
例えば履歴書のカタログスペックで即戦力と判断し採用した40代が、実際にはパーソナリティ障害を抱えており、周囲を困惑させる結果になったケースは少なくありません。
一番怖いのは「やる気のある無能」という言葉がある通り、何らかの形で組織崩壊や会社に対して不利益をもたらしているのです。
個人が消えていくのは構わないのですが、周りが巻き込まれるのは避けるべきです。
会社から人事処理を受けている人は、多くの場合、何らかの問題児であった場合が多く、総じて似たようなタイプの人間でした。
ここでは更迭人事についてと、対象になった人の特徴についてまとめています。
人事異動についての考え方
失敗は誰にでもありますが、出来る人は失敗の後が違うため、失敗であろうが成功であろうが、その後の理由を検証し「まぐれ当たり」を「幸運」で片付けたりはしません。
こう言った人は、面接などで成功談や失敗談とその時どうしたかなどを聞いてみれば判断出来ると思います。(あまりにも高尚な話の場合無理ですが)
異動という観点だけで見れば、教育に伴う異動という組織采配もありますし、自分のキャリアに幅をもたせるために志願した異動というのもありますが、自分が意識しない異動の多くは厄介払いの人事異動です。
単に邪魔なのであれば窓際で良いですが、「そこにいることで周りに悪影響を与える人間」だからこそ、会社としては異動による自浄作用を検討します。
よく言う飛ばされたという奴で、急に「数日後から〇〇行ってね」と言われるパターンや、地方とか海外とかに急に行かされるパターンなど、部署異動や事業所異動のケースがよく見られます。
日本企業は厄介なもので、問題のある人間でも気安く解雇出来ないため、人事異動で対処するケースは少なくありません。
大きい会社なら出世組が行く場所と、更迭組が行く場所はある程度決まっているので、社内事情に精通している人なら何処へ行ったかで直ぐに分かると思います。
飛ばされた先で自浄作用があれば儲け物ですし、辞めてくれても一向に構いません。
体験談
自分が知っている人物だと、「虚言癖、問題行動、モラルの低さ」から中国に飛ばされたものの、自分に問題がある事を理解しておらず、数年後別の日本企業で就職し、相変わらず問題行動を続けている人や、逆にベトナムに行かされて悟りに近いものを開き、退職後個人で働き活躍している人もいます。
本人の捉え方があり、実はここが一番難しいところだったりします。
人事異動で飛ばされた人には「本人に飛ばされた自覚が全く無い人」も結構な割合で存在します。
こういう人は観察しているとわかるのですが、自分がおかしな事をしていたり、状況を悪くしているとは全く思っていません。それどころか、おかしな事になったのは他人のせいだと本気で思っています。
こういった人材を採用した企業が、2次被害、3次被害を被る事になり周りが迷惑するのです。
厳しい事を言えば、職務経歴でわかる人も多く、理解していれば分かりやすいのに、これを採用する人も会社としては何らかの処罰を検討したほうが良いと思います。
人物傾向
他人に多大な害を与えるタイプの人間は、自己愛性パーソナリティ障害など何らかの疾患持ちでない限り、承認欲求の肥大や異常な内向性(自分が大好き)な人が多く見られます。
承認欲求に関しては言わずもがなです。認められたいという感情を仕事に持ち込んでいるため変な働き方になるのです。
そもそも「仕事と承認欲求は別物」です。
承認欲求を満たしたいのであれば、自分が承認される物や場所を見つければ良いだけです。
問題行動のある人が承認欲求を仕事に持ち込むと、極端な属人化や強い他者批判を行い、意地汚く他人を退ける行動に出る可能性が高くなります。
意地でも責任を取りたくない人や、話の論点をずらしたり、相手を打ち倒して自分の相対評価をあげようとする人の関心は自分自身に向いている事が多いです。
これは心理学的には内向的で、極端に内向的な人は自分に関係のある事をよく喋るため、お喋りな場合が多く、人物像を勘違いしやすいです。
こういった人達は社交的なわけではなく、関心が自分にあるだけなので、我が身可愛さから会議での話や、ありきたりなコミュニケーションをとっているので、実際は口がよく動くだけで、本質を突くような中身は全くないのです。
特徴
うわべだけの特徴を挙げれば下記のような感じです。
- 「責任を負う意識を持ちたくないので他人に押し付ける」
- 「他人の話を退け聞かない(極端な原理主義)」
- 「自分の考えに囚われている(理想論的な夢見がちな考え)」
- 「他者に対して極端に批判的(公での他者批判)」
- 「他者をラベリングする事を好む」
- 「ストローマン論法を多用し論点を逸らす」
当事者同士間では問題児だとすぐにわかりますが、こういった人達を見抜こうとしても見抜くのは相当難しいです。
問題行動から組織やサービスを壊滅させてしまう人も、会社の命令には従順で、やれと言われた事はそれなりの体裁で行うため、第三者からみると全く分からないケースは少なく有りません。
改善されなかった人の本質的な危険性
改善が見られないケースで一番多いのは、上記に書いた特徴の通り、自分の考えに囚われているため自分が更迭された認識がないためです。
「自分が失敗した」「自分の行動が良くなかった」など、過去の自らの行いを振り返ることが無いので改善はされません。むしろ美談や苦労話として真実と異なる話を語ることさえあります。
更迭によって改善されなかった人たちの本質的な危険性は、他者に対して有害な影響を与える可能性が高く、周りに対して「毒」になることです。
こういう人達は働きだした頃に、上司、先輩、メンターから適切な指導を受けられていなかったり、受けてはいるけど他人の意見を受け入れない傾向が強く、自分が興味のある事や、自分が理解出来る事だけが絶対的な正しさだと考える傾向があります。
そのため、仕事で何かを考える必要があるとき、方向感や論点は自分が今現在興味のあることに焦点を置いて話します。
ケースとして多いのは、自己愛性パーソナリティ障害の人で、自分の都合の良いように物事を湾曲して解釈したり、わがままかつ傲慢な性格なので、あたかも自分が一番偉いかのように振る舞ったりし、その結果ハラスメントなど職場として望ましくない行動を取りがちです。
自分の理念を原理主義的に吹聴して回る存在でも、周りの人間がそれなりに歳をとっている場合、一応話を聞くため、本来育るべき人の教育機会を失ったり、周りに対してよくない行動規範を示す可能性が高くなります。
ちなみにこういった人たちが採用活動にまで関わった場合、ヤバイ人材や同じような人達がコブ付きで採用され、組織が異常な状態になり爆散するケースや、不良人材が情報を滞留させて壊死するケースがあるため本当に注意しましょう。
まとめ
承認されなかったがゆえに、良いものをみつけるとそれが素晴らしく輝いて見えて横取りしてみたり、そうでもしないと評価されず満たされないため、承認されるためのあらゆる攻撃をやめないのです。
そうやって生きるしかないかわいそうな人だったり、細かいケースは色々あるでしょう。(パクられる側からすれば実績のある証拠なのだから、おそらくどこに行っても仕事ができます)
こういう人達と遭遇したら、早めに距離を取って普通の環境に移動することが最善の方法です。
会社としてこういった人達を対処出来る立場にあるのであれば、まずカウンセリングなどを受診させる事をお勧めします。病気や障害に近いものであれば投薬治療で幾分よくなる症状もあるため、会社に行く前に医者に行けと言う事です。
履歴書で数日で退職してる人が偶にいますが、感の良い人が3日や1週間で辞めるのは変な事ではありません。
こういう人たちは、この様な経験を明文化し世の中にアウトプットする必要がないと考えているため、極端に行動が早いだけです。環境判断をする嗅覚の良さは、能力として評価しても良いのではないでしょうか。