「72の法則(Rule of 72)」は、金融や投資において資産が倍増するまでの期間を概算するためのシンプルな計算方法です。
この法則は、主に複利の効果を簡単に理解するために使われます。
72の法則の基本
「72の法則」では、次のような式を使います。
倍になる期間(年数)=72/年利(%)
ある資産が一定の年利で複利運用される場合、その資産が2倍になるまでにかかる年数は、「72」をその年利で割ることで求められます。
例えば、年利6%で運用される投資の場合、その資産が2倍になるまでの年数を次のように計算できます。
72/6=12年
この場合、年利6%で運用すると、約12年で資産が倍になるということです。
他にも、年利5%で運用される場合、約14.4年で資産が2倍になることがわかります。
72/5=14.4年(14年4.8ヶ月)
複利とは?
複利とは、利子が元本に加算され、その加算された元本にさらに利子が付く仕組みです。
これにより、時間が経つほど加速度的に資産が増えていくことになります。
「72の法則」は、複利の力を簡単に理解できる概算方法として使われます。
応用例
この法則は、年利だけでなくインフレーションや費用の増加、減価償却などのさまざまな状況にも適用できます。
たとえば、インフレーション率が年3%の場合、72を3で割ると、24年後には物価が倍になることが分かります。
72/3=24
つまり、年3%のインフレーションが継続すれば、24年後にはお金の価値が半分になるということです。
72の法則が便利な理由
この法則の最大の利点は、計算が簡単で直感的に理解できる点です。
金融商品や投資計画のシミュレーションにおいて、細かい複雑な計算をしなくても、おおよその結果を素早く見積もることができるため、多くの金融専門家や投資家に利用されています。
72の法則の限界
「72の法則」は、あくまで概算の手法です。
実際の資産成長は複雑な要素(手数料、税金、経済状況の変動など)に影響されるため、必ずしもこの法則通りにはならないことがあります。
また、年利が非常に高い(10%以上)場合や低い(1~2%程度)の場合、この法則の精度は低くなります。
それでも、ざっくりとした予測をする際には非常に役立つ方法です。
結論
「72の法則」は、資産が年利でどのくらいの期間で倍になるかを簡単に計算する方法です。
複利の効果を理解するために非常に便利であり、投資計画やインフレーション率の影響を直感的に把握する際に広く使われています。
ただし、あくまで概算の目安であり、実際の経済状況や他の要因も考慮する必要があります。
この法則は、投資の目標を立てる際や、どのくらいの利回りが必要かを考える際に非常に便利です。