心理学 集中力

疲れは脳のトリック?|アスリートから学ぶ集中力との付き合い方

「疲れた...」そう感じる時、人間の脳が防衛本能から早めにブレーキをかけています。

集中力が高い人やトップアスリートはこの「脳のブレーキ」をうまくコントロールして、パフォーマンスを発揮しています。

今回は、そんなアスリートから学ぶ疲労管理の方法と、誰でも実践できる集中力アップのテクニックについて、ご紹介します。

仕事や勉強で「集中力が続かない」と悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。

研究結果からわかる脳の防衛本能

研究では、アスリートがトレーニング中に「限界だ」と感じても、実際の肉体的な限界に達していないことが確認されています。

これは、脳が防衛本能から「もう限界」と判断してブレーキをかけているためです。

「脳が感じる限界」を超えるため、高地トレーニングや低酸素トレーニングなどの負荷の高いトレーニングが行われます。

これにより、「疲れた」という錯覚が生じるレベルを引き上げ、暗示を与えることが目的です。

例えば、「過去に頑張ったのだから今回も超えられる」「十分に鍛えたのだから本番でも結果を出せる」「もう少し頑張れる力が自分にはある」と自分に言い聞かせることで、脳のブレーキが緩まり、疲労感という思い込みを打ち消し、本来の力を発揮できるようになります。

プライミング効果

「プライミング効果」とは、ある刺激や経験が、その後の行動や判断に無意識的に影響を与える心理現象です。

分かりやすい例を挙げてみましょう。

アスリートはスポーツの場面で、試合前に「必ず勝てる!」と自分に言い聞かせることで、実際のパフォーマンスが向上します。

他にも「チャンピオン」や「勝利」といった前向きな言葉を見たり聞いたりすることで、やる気が高まります。

日常生活でも同じことが言えます。朝、鏡を見ながら「今日も頑張れる!」と声をかけることで、一日を通して前向きに過ごせます。

また、スポーツ選手の成功物語を読んだ後は、自分も何かに挑戦しようという気持ちが強くなります。

つまり、前向きな言葉や考えに触れることで、私たちの脳は無意識のうちにそれに影響され、実際の行動も良い方向に変化するのです。

実践方法

具体的に実践するには、「集中できた環境や時間」を記録する方法があります。

人は意識するだけで行動が変わることが実験で証明されています。

例えば、客室清掃を行う2つのグループのうち、片方にだけ作業で消費するカロリー表を配布し、1日の終わりに消費カロリーを計算させたところ、体脂肪の減少や血液状態の改善といった健康面での変化が確認されました。

何もしていないグループには変化はありませんでした。同じ作業をしても、意識の向け方次第で成果に差が生まれるのです。

集中力についても、自分が「どのくらいの時間、どのような環境で集中できたか」を記録することで、その環境その時間帯にプライミング効果が働き、自然と集中できるようになります。

まとめ

無意識に秘められた力は思っているより大きいです。

意識的な記録と環境作りで集中力は向上できます。プライミング効果を利用して先行刺激で集中した状態を脳に暗示していきましょう。

集中力の高い人は、自分に適した環境を意識的に選択しています。

自分が集中しやすい環境にこだわって、入ってくるモノや情報を選び取っているのです。

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