自己開示を難しく考えず、率直に自分から心を開いて、相手に歩み寄ることが大切です。
たとえば、新入社員が戸惑っているときに、同じ経験を共有し、励ましの言葉をかけることで、彼らの前向きな気持ちが高まる可能性があります。
「最初は理解できないことばかりで苦労しましたが、それを克服すると仕事がより楽しくなりました。さまざまなスキルを身につけられるし、異なる内容に挑戦することもあり、見識が広がります」といったメッセージを通じて、共感と励ましの言葉で心を開くように促します。
分かっていても、他者から「辛いのは自分だけではない」と聞くとほっとする可能性が高いです。
「仕事が楽しくなるまで続けてみよう」と勇気を与えることができれば、十分に意味のあるコミュニケーションとなります。
自分の弱みを開示する
マネージャーが素直に自分の弱みを見せることで、相手との距離が近付くこともあります。
「このプロジェクトに邁進して、毎日大変ですが、先週明らかになった私のミスでプロジェクトにマイナスの影響がありました。リーダーの自分が皆さんの進捗を滞らせて本当に申し訳ないし、情けない気持ちです。」
情けない、悔しい、申し訳ない、など自分の気持ちを開示すると、相手がどんな反応をするか怖さもあるでしょう。
しかし、「情けない気持ちです」と気持ちを正直に打ち明けたリーダーに対して、親しみや感傷を感じるメンバーはいても「あなたは情けないダメなリーダーです」と傷口に塩を塗ってくる人など滅多にいる物ではありません。
逆にそう言った人が居たならば、ヤバいやつを炙り出せたと考えるべきです。
自分が心を開けば、相手も心を開きます。心理的安全性のベースとなる信頼関係の構築は、上の立場の人間のほんの少しの歩み寄りから始まります。
マネージャーは「自分が話しかけづらい存在であること」を常に自覚する必要があります。
参考:心理的安全性 最強の教科書