朝の目覚めを良くするため、あるいは憂鬱な仕事に活力を与えるために、多くの人がコーヒーを利用しています。
しかし、最近の研究では、眠気覚ましにとどまらない心理的な作用が明らかにされており、そのすべてが良いとは限りません...。
良い側面
コーヒーに含まれるカフェインは、中枢神経系を刺激する作用があります。
覚醒度を高め、集中力や問題解決力を向上させます。
試験に向けて注意力を高めるために、コーヒーなどのカフェイン入り飲料を「使う」人は、それが役に立つという証拠もあります。
大学生を対象としたある研究で、カフェインが、若年層にとって通常「低調」である早朝に行われた記憶力テストにおいて「顕著な改善」につながったことがわかりました。
運動するように指示された別のグループでは、このような効果は見られなかったため、一般的な覚醒を高めるというよりは、記憶に直接作用するようだと研究チームは報告しています。
2021年発表された研究でも、視覚処理に対する効果が数多く報告されています。
研究チームは、カフェインが人の動く標的を感知する能力を向上させることを発見しました。
これは、歩行者が道路に飛び出してきたり、サッカーボールが飛んできたりしたときに、より素早く反応することを意味するかもしれません。
好ましくない点
買い物に行く前にコーヒーを飲むと、衝動買いを助長する可能性があることが、2022年初めに発表された研究で明らかになりました。
研究チームは、買い物に行く前にエスプレッソを1杯だけ飲んだ人は、カフェイン抜きのコーヒーや水を飲んだ人に比べて、店内での買い物金額が50％も多くなることを発見しました。
また、便利なものよりも、バターのような食べ物やリラックスできる商品など、「高快楽度」の商品を選ぶ傾向が強かったそうです。
カフェインを飲んだ人は、より興奮した気分になったと報告しています（カフェインによって心拍数が速くなることを「興奮」と誤認したためであることは間違いありません）。
そして、興奮するとより衝動的になる傾向があります。
良くも悪くもない点
カフェインはさまざまな認知能力を向上させますが、創造性はその中に含まれません。
アーカンソー大学のダリヤ・ザベリナらは、参加者に200mgのカフェイン錠（濃いコーヒー1杯分に相当）とプラセボを飲ませた後、一連のテストを行いました。
予想通り、カフェインを摂取している人は、与えられた3つの単語（カッテージ、スイス、ケーキなど）をつなぐ、4つ目の単語を思いつく実験で、問題解決タスクの良い結果を出しました。
研究チームは、発散思考テストを用いて、参加者の創造性を評価しました。
参加者は、簡単な記号をより複雑な絵の始まりに使ったり、日用品にできるだけ多くの用途を思いついたりする必要がありました（例：日用品にできるだけ多くの用途を思い浮かべる）。
これらのテストでは、2つのグループの間に差はありませんでした。
これは、脳が集中力を欠き、よりリラックスした状態にあるときに、創造的思考が容易になるためだと研究者は推測しており、カフェインはこれを助長しないと考えています。
社会的側面
誰かに好意をもってもらいたいなら、熱いコーヒーを飲ませればいいのです。
これは米国の心理学者ローレンス・ウィリアムズとジョン・バーグによる、よく知られた研究の論争的な結論です。
バーグは、物理的な暑さや寒さが社会的な温かさの認知に影響することを示唆する一連の研究を行っています。
バーグ氏の主張は、私たちは幼い頃から、身体的な暖かさを介護者の心地よい存在と結びつけており、この無意識の結びつきが大人になっても続いているというものです。
大人になってから身体的な温もりを感じると、一緒にいる人に対して温かい気持ちを抱くだけでなく、一種の部分的な社会的満腹感も得られると示唆されています。
2008年に行われたウィリアムズとバーグの研究は、有名なことに再現性がなく、この分野での他の知見もまちまちです。
しかし、これらの矛盾の少なくとも一部は、その日の周囲温度や部屋での変化に起因している可能性があると主張する研究者もいます。
最近の研究では、周囲の気温をコントロールしたところ、気温の高さが社会的判断に影響を与え、社会的接触への欲求を低下させるという考えを支持する結果が得られました。
改善の限界点
多くの人が、睡眠不足の夜には、翌朝に追加の1〜2杯のコーヒーで対処します。
過去の研究から、睡眠不足は、すべての認知能力の低下（反応時間の遅延や集中力の低下など）や、注意力の障害に起因すると研究者たちは示唆してきました。
カフェインが注意力を高めるのであれば、コーヒーは睡眠不足によるすべての問題に少なくとも助けになるはずです。
しかし、2021年発表された研究では、睡眠不足に関連する問題の中で、コーヒーが何も解決しない「居場所維持」の低下が報告されました。
これは、病院や工場の手順を実行する場合や、エッセイを書く場合など、複雑なタスクを実行する際に、自分が現在どの工程にいるかを把握する時に生じる問題です。
場所の記憶の低下は、注意力の低下から生じるものではありません。
この研究は睡眠不足がより広範な認知的影響を持つことを示唆し、コーヒーがすべての問題を解決するという考えは間違っていることを意味しています。