多くの睡眠法が世の中にはありますが、根本的な原因に向き合わなければ効果はありません。
その原因の一つが「不安」です。
睡眠科学の専門家マイケル・グラディサー博士によると、「心配事が原因で寝つけない人は多く、一般的な睡眠法はこの問題に対応していない」と指摘します。
そんな不安に対処する方法として注目されているのが「建設的心配法(Constructive Worry Sleep Method)」です。
この方法は、就寝前に心配事を紙に書き出し、それぞれに対する対応策を考えるという3ステップで構成されています。
こうすることで、脳が「ベッド=不安の場」と認識しないようにするのです。
建設的心配睡眠法とは
「建設的心配法(Constructive Worry Sleep Method)」は、不安を前向きに処理するための睡眠法です。
その名の通り、寝る前に不安を整理し、対処する方法を考えることで、心を落ち着けて眠りにつくことを目指します。
この方法には後述する3つのステップがあり、就寝前に心配事を書き出し、それにどう対処するかを考えます。
「研究によると、人は眠りにつこうとするとき、翌日に待ち受けている仕事について考えることがほとんどだと言います。
寝る前にこの練習をすることで、ベッドと心配事を結びつけるのを防ぐことができます。
この睡眠法は、SNSの一過性の流行ではなく、信頼ある科学的アプローチに基づいています。
建設的心配性睡眠法は、ライアソン大学の睡眠とうつ病研究所の所長であるコリーン・カーニー博士によって、夜間の不安と闘うために開発されました。
建設的心配睡眠法の実践3ステップ
- 夕方に15分の時間を確保する:夜寝る前に15分ほど時間を取って、心配事を書き留めます。少なくとも就寝の2時間前に行う必要があります。
- 心配事を3つ書き出す:紙とペンを使って、今一番気がかりなことを3つ書き出します。スマホやPCは避けましょう。
- それぞれに対処法を書く:翌朝どのように対処するかを書き添えます。もし寝る直前に心配が再燃しても、「対策はもう立てた」と自分に言い聞かせましょう。
この方法は、科学的にも効果が認められています。
例えば2018年の研究では、「翌日のタスクをリスト化した人は、その日あった出来事を書いた人よりも早く眠りについた」と報告されています。
ただし、習慣化には数週間かかることもあり、即効性を求めすぎないよう注意を促しています。
「数週間続けてこそ効果が表れます。継続することで、頭の中で繰り返される思考が減少し、落ち着いた睡眠が得られるようになります」とのことです。
その他の対処法
- 瞑想:ガイド付き瞑想で睡眠前の心を整えるのも効果的。SpotifyやYouTubeで無料の音声も利用可能です。
- 夜のルーティンを整える:読書や軽いヨガなどを取り入れ、毎晩同じ流れで過ごすことで、体に「そろそろ寝る時間」と信号を送れます。
- 快適な環境を整える:散らかった寝室は睡眠の質を下げるため、整理整頓を心がけましょう。寝具の見直しやアロマの活用もおすすめです。
眠れない原因が「心配」なら、まずは向き合うことから始めてみましょう。