個人の財務管理を簡素化するために使えるヒントやコツはたくさんあります。
私が気に入っていてよく使っているのは「173の法則」です。
これは、小さな金額の購入の決定を素早く評価し、定期的な出費の実際のコストを見積もるのに役立ちます。
このちょっとしたコツを学べば、賢明な出費に大いに役立ちます。
毎月お金をかけているちょっとした贅沢品が、長い目で見ると実はかなり高価なものであることに気づくでしょう。
173の法則とは?
「173の法則」は、10年間で毎月の支出がいくらになるかを簡単に推定する個人財務管理の目安です。
毎月の小さな支出が長期的にどれほどの影響を与えるか、商品やサービスの真の潜在的コストを理解するのに役立ちます。
173の法則を使用するには、毎月の支出額に173を掛けるだけです。
この法則で120ではなく173という数字を使う理由は、毎月の支出を8%の利回りで投資した場合の10年後の金額を示すためです。
消費した金額と同額を、年平均8%のリターンで投資した場合、10年間で得られたであろう大まかな金額が明らかになります。
「機会費用」(そのお金を投資に回した場合に得られたであろう利益)を意識させることで、より慎重に支出を判断するようになります。
支出コストを計算したいだけの場合、実際の成長率に近い2%程度を想定すると良いでしょう。その場合、173ではなく120〜146という数字の方が現実的かもしれません。
例
例を挙げてみましょう。
コーヒーショップでの月額 6,000円利用するとした時、173の法則を使用して「実際のコスト」を推定してみましょう...
6,000円 × 173 = 1,038,000円
コーヒーに毎月6,000円を費やす代わりに、そのお金を投資していたら10年後には約100万円近く手元に戻っていたでしょう。
(この計算は、標準的な複利計算機を使用して再確認することもできます。8%の成長率で毎月6,000円を投資すると1,087,699円になります)
小さな出費があっという間に積み重なっていきます…
コーヒーが大好きで、毎月6,000円(10年間で100万円)使うことに価値を感じるなら、それは問題ありません。この法則は個人の支出習慣を批判するためのものではありません。
大切なのは、あなたの幸せにつながる物やサービスにお金を使うことです。
ただし、生活の中で毎月繰り返している小さな出費のうち、本当に価値があるかどうか疑わしいものはないでしょうか?そういった支出を見直してみるのも良いかもしれません。
173の法則を使用して、多くの人が実行できる節約の例をいくつか示します。
- 公共料金を毎月7,500円削減 = 10年間で 1,297,500円
- 安い携帯電話プランに切り替え毎月5,000円節約= 865,000円
- 銀行を変更して月額2,000円の手数料を回避すると、346,000円
- 月額3,000円安い保険プランに加入すると、519,000円
- 外食を1回減らすことで月に1500円節約すると、259,500円
さらに、これらすべてを実行すれば、10年後にはさらに 3,287,000円の運用益ができます。
ご覧のとおり、さまざまな支出カテゴリから、一見取るに足らない小さなコストを削減するだけで、10年という期間で大きな違いが生まれます。
さらに、30年、40年、50年といった長期間にわたって、将来のためにさらに多くのお金が貯まることになります。
173の法則を有効に利用
日常生活で継続的に支払っているものを見直してみましょう。
各種の支払いを見直すことで財政状態を改善し、より豊かな生活の助けになります。
1. 現在の請求書を見直す
保険、公共料金、家賃など、あなたが支払っているすべてのサービスを見直し、より良い料金があるか確認しましょう。
保険は最小金額で十分なはずです。
2. サブスクリプションサービスの見直し
近年、多くの企業がサブスクリプションモデルに移行していますが、その理由は「トータルコスト」をカバーするためです。
「サブスクリプション」という言葉を聞いたら、危険信号と捉え、年単位でいくらかかるか計算してみて下さい。
3. 支出を追跡する
毎月の支出を見直すことは、隠れた出費を発見し、悪習慣を改善する最も迅速な方法です。
電子決済をメインにしている場合、アプリを使うとデジタルで簡単に支出を追跡でき、資金の流れを常に把握できます。
現金をメインにした方が支払い欲求を抑えられるので、現金を利用している人は週単位のメモ帳を利用しましょう。
4. 節約したお金を投資する
「173の法則」は「潜在的に」どれだけ節約できるかを計算しますが、実際に節約したお金を賢く投資する分も数値に乗っています。
無駄な支出を削減したら、その分をどう投資するかを学びましょう。
結論
173の法則は、支出の優先順位を決める際に役立つ便利なツールです。
この法則を使うと、予算を少し変更した時、長期的にどれくらいの経済的効果が得られるかを見積もることができます。
日々の小さな出費の重要性に気づかせてくれ、それらが時間とともに積み重なるとどれほどの金額になるかを示してくれます。
ただし、これはあくまでも目安であることを忘れないでください。
この法則を知っているだけでは不十分です。実際の効果は、この法則をきっかけに将来のためにどれだけ貯蓄や投資を増やすかによって決まります。