ポジティブ 好感度 幸せ 心理学 社会

良い人とは何か?|基本的な資質と特徴、良い人間であることの大きな利点

2025年1月7日

多くの人は幼い頃から、親や教師など目上の人から「良い人になりなさい」と教えられて育ちます。

しかし、「良い人」とは具体的にどのような人物なのか、深く考える機会はありません。

そもそも「良い人」とはどんな特徴を持った人なのでしょうか?いつも満面の笑みを浮かべ、困っている人を見つけては親切に手を差し伸べる。お釣りをもらい過ぎたら必ず返す。そんな完璧な聖人君子を目指せと言われているように感じることはないでしょうか。

「良い人」という言葉を、思考停止して万能調味料のように使いすぎています。「あの人は良い人だよ」と言われても、何がどう良いのか、具体的なイメージは湧きません。

良い人になるということは、単に毎日の習慣や行動だけではなく、もっと深い意味があります。

良い人の基本的な資質

1. 感謝の気持ち

いつも穏やかで温かな印象を与える人がいます。この人たちの特徴の一つに、日常生活の中で当たり前の感謝の気持ちを大切にしている姿勢があります。

「感謝する心」はポジティブ心理学の一部として推奨されており、感謝の気持ちを意識的に持つことで、普段見過ごしがちな日常生活の小さな喜びや幸せに気づけるようになります。

例えば、日々の食事、住み慣れた家、家族との何気ない会話、友人との楽しい時間、など生活に当たり前のように存在していますが、感謝の心を持つ人は、そんな日常の幸せを特別なものとして大切にしています。

感謝の感情は脳内でドーパミンやセロトニンの分泌を促進し、幸福感や安定感を与えるとされています。感謝の気持ちを大切にする人は、他者との関係も自然と良好であり、相手に対しても親切で協力的に接することが出来ます。

2. 思いやり

人との関わりを考えた時にパッと思いつくものが「思いやり」です。

これは難しいことではなく、日常のちょっとした気づかいの積み重ねが重要です。

心理学の視点から見ると、思いやりのある行動は「共感能力」に基づいており、相手への感情や立場を理解する力が育まれることで自然に生まれます。

例えば、電車で体調の悪い人に席を譲る行為は、相手の疲労や不便さを想像できる能力の表れです。

また、困っている人に声をかけることは「助けることで得られる幸福感」(ヘルパーズ・ハイ)を促し、助けた自分の心も幸せな気持ちになれます。

思いやりの行動を重ねていくと、周りの人との関係も不思議と深まっていきます。思いやりの心は、決して特別なものではありません。誰もが持っている、人として当たり前の優しさなのだと思います。

3. 共感力

「共感力」という単語は多くのケースで耳にしますが、これは奥が深いものです。

人は相手の感情に寄り添おうとするとき、二つの異なる方法で共感しているといわれています。

一つは、「その気持ちわかるなぁ」と自然と心が動く感情的な共感。もう一つは、「なるほど!そういう状況だからそう感じるんだ」と頭で理解する論理的な共感です。

心理学では、これを「感情的共感」と「認知的共感」の2つの側面として定義しています。

感情的共感は、相手の気持ちに共鳴して同じ感情を共有する力で、認知的共感は、相手の視点を論理的に理解する力です。

相手の気持ちを「わかったつもり」で終わらせず、本質的な意味で理解しようとする姿勢は信頼関係を育みます。

会社での同僚との関係、家族との普通の会話、親友とのディープな近況報告など、どんな場面でも共感力は人間関係を豊かにしてくれる大切な力です。

4. 誠実さ

約束を守り、正直に行動することは分かりやすい良い人の基本的特徴です。

心理学では、誠実さを「誠実性(コンシエンショスネス)」という専門用語で表現します。単に正直だ、ということだけでなく、物事を計画的に進める性質や、責任感の強さとも深く結びついています。

誠実な人って、困難な状況に直面しても、最後まで責任を持って対応する傾向がありますよね。この姿勢は、周りからの信頼を自然と集めていきます。

正直であることは、相手の気持ちを大切にすることでもあり、長期的な人間関係を築く上で極めて重要です。

一人一人が誠実に行動する事は、小さな積み重ねかもしれません。しかし、当たり前の誠実な行動が、社会の秩序を保つ良い環境づくりに貢献しています。

5. 謙虚さ

一番重要なのは謙虚さです。

謙虚さは、心理学的に見ると二つの要素から成り立っています。

一つは「自分自身を正しく理解すること」、もう一つは「相手を心から尊重すること」で、自分の限界を知りながら常に成長を目指す姿勢といえます。

謙虚な人はどこか魅力的ですよね。「まだ学ぶことがある。もっと詳しく聞かせてください。」という「傾聴の姿勢」が自然と身についていて、そんな態度に周りの人は心を開いていきます。

謙虚でいることで「感謝の気持ち」が育まれ、「自分一人ではない」という認識も生まれ、心の安定につながります。

謙虚な姿勢を保つことは、自分の成長だけでなく、自然と他者と互いに高め合える良い環境を作り出します。

日常的な特徴

良い人は、積極的に他者の話に耳を傾けつつも、自分の感情をうまくコントロールすることができます。

自分の感情に振り回されず、抑え込みすぎることもなく—バランスを保てる人は、周りからの信頼も自然と得られます。

言動に一貫性があり、約束したことはしっかりと守る。分かりやすい誠実さは、言わずもがな信頼関係を築く土台となります。

自分自身を深く理解している人は、余裕を持っている事が多いです。自分の長所短所を共に受け入れ、真摯に向き合える人だからこそ、他者の個性も受け入れられるのでしょう。

「良い人」とは完璧な人のことではありません。自分も他者も大切にできるバランスの取れた人とも言えます。

良い人のメリット

思いやりや親切な行動は、心身の健康に良い影響をもたらします。親切な行動は血圧を安定させ、活力を高め、メンタルヘルスも改善します。

私たちの人生を豊かにしてくれると言っても過言ではありません。

「良い人」は直ぐになれるものではありません。今日から他人に優しくしよう、困っている人に自分から声をかけよう…みたいな小さな心がけを積み重ねて、少しずつ成長していくしかありません。

「良い人であること」は、回り回って自分自身の幸せに繋がる道になる可能性があります。

-ポジティブ, 好感度, 幸せ, 心理学, 社会